第44話 久々に出てきたキャラが活躍すると興奮する。

「ど、どうしたんだよ?こんなところに連れ込んで………お前たち?」


階段の後ろ、階段の裏にいるのは灰カスと香織と晃太。


「も、も、もうすぐほ、ホームルーム始まるだろ?は、早くいかねーと!や、やばくねーか………?」


「……………」


「な、社………何で睨んでるんだよ?睨んだらシワがつくから止めたほうが……」


「灰センだよね?せいとかいちょーのアリスちゃんだっけ?その子に私たちのこと言ったの?」


「な、何故そ、それを……って、あ。」


もう自白したようなモノだが晃太は睨みを聞かせ灰カスに詰め寄る。


「お前………俺らのことはノータッチでいくって言ったよな?」


「い、言ったっけなぁ………そ、そんなこと………」


「成人になるのがもうすぐだから何をしても何が起きても俺の範疇じゃない。だから無視するって言ってたよな?」


「い、いや………」


「言ってたよな!?」


「い、い、言ってましたね………たぶん…」


「多分?」


「いや、言いましたね……はい。」


ここまでの話を聞くとコイツが先生って立場で晃太が生徒って立場っていうのが薄れてきやがる………

何を生徒に詰め寄られてんだ?この教師は。


「で、本題だ。何でお前百合姫アリスに情報を売ったんだよ?」


「いや、俺だって証拠ない………」


「臨時収入はどこから手に入ったんだよ?おい。」


「……………」


「競馬か競輪か?それとも他のギャンブルか?そこで稼げたのか?」


「そ、そうだよ!だから臨時……」


「さっき他の生徒にこれを競馬にかければもっと倍に出来るって言ってたぞ?てことは臨時の収入は競馬で稼いだやつじゃないってことだろ?」


「そこまで聞いてたのかよ………」


「聞いてねーよ。聞こえてきたんだよ。お前のデカイ声が。」


灰カスは何とかしてこの詰められてる状況を打開しようとしているがワタワタしてるだけで手詰まり。


「諦めて話せ。」


晃太の言葉に灰カスはその言葉通り諦めた様子でポツポツと話し始める。


「お前らが40万のペアリング買うっていうから生徒のクセに生意気だと思って………しかもその日めちゃくちゃ今週の食費がかかったレースに負けてイライラしてたんだよ…」


言ってることが完全に子供である。


「で腹立つから屋上に言って叫んだんだよ。」


「叫んだ?」


「社と沢のアホ~!ヤりちんとヤリまんで40万のペアリング買いにいくバカップルめ!俺にもわけろー!って………」


「……………」


一教師が屋上で人のしかも生徒のプライバシーのことをズバズバ叫ぶの………あり得ない。晃太は灰カスの軽蔑の目を向ける。

一方


「そんなこと大声で言ったら私たちの関係バレちゃうじゃん~!も~灰セン~!ダメだよ~?」


何故か少し嬉しそうで。

いや待てや。完全にいい情報流されてないぞ?ただただ否定的な言葉を並びたてられてるからな?

喜ぶ香織と軽蔑の晃太。

2人を見て諦めた様子の灰カスはまた話を続ける。


「でスッキリしてさぁ帰ろ!とした時に後ろを振り向いたら知らねー生徒がいて………」


「知らない生徒?」


「その知らない生徒が

私は生徒会長の百合姫 アリスです。って言うからコイツが噂の生徒会長かって気づいて」


「お前も知らないだろ?」


「そりゃあまぁ知らないけど………」


うちの高校の7不思議なのかな?その一つに生徒会長の姿を見たことがある生徒がいないってモノがある。

生徒会長というモノはどこの場でも最前線にたって皆をリードする存在のはずだが………いつもその役割を副会長である 五十嵐 忍(いがらし しのぶ)さんがやっている。だからほとんどの生徒、いや五十嵐先輩以外は生徒会長の顔を見たことがないのだ。


「で?その生徒会長に何を言われたんだよ?」


「いや………今貴方が叫んだ内容は本当?って聞かれて………え、本当だ。って言ったらその子たちのフルネームを聞かれてあとしっかりとちゃんと隅から隅まで教えてくれたら臨時収入をやるって言われて………」


「て?」


「全部ゲロった。」


「……………」


生徒に金を貰うことが恥じゃないのか、とか人のプライバシーをなんだと思ってるんだとか色々あるけどとりあえず………


ドスン!


「痛っ!」


腹に一発殴りをいれる晃太。


「教師に対してする行為じゃねーぞ!」


「うるせぇ!お前こそ教師どころか人としてやっていいことと悪いことがあるだろ!一発の殴りだけで済ましたことを優しいと思えよ!」


「ま、まぁ………とりあえずお前らは昼休みに生徒会室にいくのは確定だから頑張」


今度は顔面に蹴りをいれる晃太。

ドスン!と当たりフラフラした灰カスは倒れる。


「晃太くんやり過ぎじゃない?」


「一旦眠らしたんだ。永遠に眠らしても良かったけど。」


「……………」


「どうした?香織?」


香織もやっぱり生徒会室にいくのが心配…


「生徒会室にお弁当持っていってもいいかな?せっかくつくったのに食べてもらえないのは悲しいし……」


「……………」


香織………とりあえず一番に心配するとこそこじゃねーよ。

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