誕生日プレゼントは俺って言ったら幼馴染みに襲われた件

まんぷく犬

第1話 男と女に友情はある。

社 晃太(やしろ こうた)には親友と呼べるほどの女友達がいる。

沢 香織(さわ かおり)。付き合いはもう17年になるか。親同士も仲が良く本人たちも仲がいいので親公認の親友と呼べる。

だが周りからの目は、


付き合ってるんだろ?

いつ付き合った?

よ、夫婦!


等と付き合ってると囃し立てる声ばかり。

馬鹿馬鹿しい。晃太と香織の仲はそんなモノじゃない。男女の性別を超えた、男女の関係を超えた親友関係なのだから。

そんな中………


「晃太?もうすぐ香織ちゃんの誕生日でしょ?」


トントンと何かを包丁で切る音と共に母親の声が聞こえる。


「あ、そっか。もうそんな季節か。」


確かに梅雨に入ったなぁとは思ったけどもう6月か。


「何かプレゼントしなさいよ?」


「わーってるよ?おかん。」


ソファでぐでんとしながら晃太は返事をする。


「誕生日プレゼントねぇ~?アイツ確か何かのキャラクターのぬいぐるみが欲しいとか言ってたよな?それでいいか?う~ん……それじゃつまんないよなぁ。…………。

あ!そうだ!」






そして当日。


「いらっしゃい!晃太くん!」


「いらっしゃいました~」


「で、私の家に来て何の用?」


「分かってるだろ?お前の誕生日プレゼント渡しにきたんだよ。」


「えへへ♪分かってるけど一応聞いてみたの!で誕生日プレゼントは?」


「フフフっ!」


「晃太くん?」


「聞いて驚くなよ?今年の誕生日プレゼントは、俺だ!」


「え?」


ポカンとした顔になる香織。


「…………ホントに?」


「あぁ。ホントにホント!」


にやけ面で話す晃太。

あの時思い付いた誕生日プレゼントの案と言うのは………誕生日プレゼントは俺と言うことだった。

まぁ、勿論冗談に決まっているが。

ちょっとした面白ポイントになるだろう。


「って言うのは冗談で………ホントのプレゼントはこのゲーセンで取ってきたぬいぐ」


ドタン!


晃太は香織に押し倒される。そして身動きが自由に取れなくなる。


「か、香織?」


「ふーふーふーふーふーふー……………」


何か目を光らせ獣の用によだれをたらす……


「か、か、香織?ど、どうし」


「ついに………ついに………言質取った……言質取った………ついに………じゃあ………いただきます…………」


「ちょ、ちょ、ちょっと!待てっ!待て…」


その後の記憶は薄い。というか記憶はない。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る