第3話 妹と添い寝することになった件
//SE 二人が布団に入る音
「ふふっ、嬉しい。こんな風にお兄ちゃんと一緒に寝るなんていつぶりかな」//頭の後方から
「私が幼稚園の頃ぶりくらい?」
「お兄ちゃんが小学生になって、一人で寝る。凛奈と一緒に寝ない。って言い出した時のこと、私いまだに覚えてるなー」
「お兄ちゃんのこと大好きだったから、一緒に寝れなくなるのが辛くて、いっぱい泣いたもん」
「……ふーんだっ、謝ったって許さないよーっだ」
「……っていうか、お兄ちゃん」
「さっきからどうして私に背中向けてるのかな?」
「あれ? あれあれ? その感じは……うーん……たぶん、流れで一緒に寝るのをオッケーしちゃったけど、実際寝てみると恥ずかしさが限界突破しちゃった感じかなー?」
「……」
「ふふっ、図星でしょ?」//背後から耳元で
「どうしてかなー? 妹と寝るだけなのに、そんなにドキドキしちゃって」
「あ、そっかー。私ってお兄ちゃんの妹ってだけじゃなくて、お兄ちゃんの推しのアイドルだったんだったー」//わざとらしく
「おやおや、耳まで真っ赤にしちゃって」
「ね、嬉しい?」
「お兄ちゃんの推しがー、今同じお布団の中でー、お兄ちゃんの背中にぴったりくっついてー、お兄ちゃんの耳元でー、囁いてるの」
「わっ、お兄ちゃん、お耳ピクピクしてるよ」
「ほんとにもー、お兄ちゃんは可愛いなー」
「つーんつん」//SE 耳をつつく音
「つーんつん」//SE 耳をつつく音
「ふふっ。お兄ちゃんは、ほんとに耳が弱いんだから」
「お兄ちゃんがー、こっちを向いてくれないならー、このままお兄ちゃんのお耳、いじめちゃおうかなー……」
「ね、いいよね?」
「……」
「……ふふっ、返事がないからオッケーってことで」
「まずはー、お耳の外側をそーっと撫でて……」
//SE 以降しばらく台詞に合わせて右耳を撫でられる音
「つーーーーって。つつつーーーーって」
「お耳くすぐったい? くすぐったいでしょ? けど、やめてあーげないっ」
「今度は細かくスリスリしちゃおうかなー」
「すりすり……。すりすりすりすり……」
「すーりすり、すーりすり……」
「……」
「……くっ、何これ何これ。耳を真っ赤にして、くすぐったいのを必死に耐えてるお兄ちゃんが可愛すぎるんですけど」//小声で
「……やば。どうしよ、しゅきが止まらない。これ癖になっちゃうかも」//小声で
「……え? あ、えっ、ううん、なんでもない! こっちの話」
「それよりー、そろそろ降参する気になったー? すりすりすりすり……」
「これでもまだ駄目かー」
「じゃあもう最後の手段しかないかな」
「後悔したって遅いよ? 私にこの手段をとらせるお兄ちゃんが悪いんだから」
「何って……決まってるでしょ。覚悟はいい? いくよ?」
「ふーっ……」//耳に息を吹きかける
「……お兄ちゃんのお耳、びくってした。さすがにこれはもう我慢できないでしょ?」
「ふーっ……」//耳に息を吹きかける
「あれー? 意外と頑張りますなー」
「ふーっ……」//耳に息を吹きかける
//しばらく耳に息を吹きかける
「……さすがにそろそろ限界でしょー?」
「ふーっ……」//耳に息を吹きかける
//SE 自身がうつ伏せになる音
「あ、ずるーい! お兄ちゃん、うつ伏せになって逃げる気!?」
「……けど、お兄ちゃん甘いなー。さっきまで息を吹きかけてた右耳は私から遠くなったけど、今度は左耳が丸見えだよ?」
「いくらなんでも無防備すぎる……って、ははーん。そういうことか。……ふふっ」//いたずらっぽく
「お兄ちゃん、いーけないんだ。いけないんだ」
「お兄ちゃん、逃げる振りして、左耳も私にいじめて欲しかったんでしょ?」
「そうだよねー、右耳だけじゃ何だかムズムズして、左耳もして欲しくなるよねー」
「え? 違う? そんなんじゃない? ……ふーん?」
「……そう言うわりには、それ以上逃げないじゃん」//左耳元で囁く
「ほんとに。お兄ちゃんはしょーがないなー……」
「仕方ないから、左耳もいじめて、あ・げ・る」
//SE 以降しばらく台詞に合わせて左耳を撫でられる音
「まずは、撫で撫でしようかなー」
「ほら、つつつーって。つつつつーーーーって」
「あれ? いきなりふーって、息吹きかけて貰えると思った?」
「残念でした。物事には順序ってものがあるんだよ、お兄ちゃん」
「……もーっ、そんな残念そうな顔しなくても、ちゃんと最後にはふーってしてあげるから」
「え? 別に残念そうな顔なんてしてない?」
「……ふふっ、そういうことにしておいてあげる」
「ほらほら、ふーっじゃなくても、お兄ちゃんの耳は弱いんだから、こうやってスリスリ撫でるだけでもくすぐったいでしょー?」
「すーりすり。すーりすり。真っ赤なお兄ちゃんのお耳をすーりすり」
「可愛い私のお兄ちゃん、たっぷりお耳をスリスリしてあげますからねー」
//SE しばらく左耳を撫でる音
「……ふふっ、じゃあそろそろお兄ちゃんお待ちかねの、吐息タイムかなー」
「いくよ?」
「ふーっ……」//耳に息を吹きかける
「ねえ……お兄ちゃん、分かる?」
「私の息が、お兄ちゃんの耳の穴を満たして、お兄ちゃんの鼓膜を振るわせてるの」
「ふーっ……」//耳に息を吹きかける
「推しのアイドルが、お兄ちゃんの耳に直接息を吹きかけてるの。どう?」
「ふーっ……」//耳に息を吹きかける
「さすがにそろそろ我慢できなくなってきたでしょ?」
「ふーっ……」//耳に息を吹きかける
「ふーっ……ふーっ……ふーっ……って駄目だ。私が先に酸欠になりそう」
「お兄ちゃんのお耳いじめるの、ちょっと休憩ー」
「ねー、お兄ちゃん。どうしてそんなに強情なのー?」
「ずっと限界なのもう分かってるんだよ? いい加減負けを認めてこっち向いてよー」
「ねーってばー、どうして私の方を向いてくれないのー?」
//SE 体をゆすってくる音
「ねーねー、お兄ちゃんー」
SE// 自身がガバッと起き上がる音
「きゃっ! どうしたの?」
「急に起き上がったら、びっくりするじゃん」
「さてはいよいよ降参する気に……って、え?」
「好きな子が隣で寝てて、まともに顔見れるわけないだろ……って?」
「え? お兄ちゃん、それってどういう……」
「私のことが好き? お兄ちゃんが?」
「妹としてじゃなく、女性として、ずっと私のことが好きだった……って、ええ!?」
「え!? え!? なにその展開!? お兄ちゃんが!? ほんとに? 私を? えっ!?」
「売れっ子アイドルになって、遠く感じるようになって諦められそうだったのに、隣で寝られたら、もう自分の気持ちを抑えきれなかった……って。お兄ちゃん、それ……本当?」
「……ばか」
「……お兄ちゃんのばかばかばかばか!」
「なんでお兄ちゃんが言うの!?」
「私が……私が言おうと思ってたのに!」
「私だって……ずっとお兄ちゃんが好きだったんだから!」
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