妖世界の魔法使い

序章

第1話

　世の中には、色々な世界が広がっている。

　妖精の世界があれば、超能力が使える世界もある。妖（あやかし）の世界もあれば、魔法の世界もある。

　この物語は、そんな妖（あやかし）の世界と魔法の世界のお話。

　妖（あやかし）の世界と言っても、何も変わらない。

　ただ妖力があるかないか。見た目が私達のような人間か、動物のような顔の人間かの違い。

　ただそれだけ。

　そんな妖（あやかし）の世界にある日本に似た国、天陽国（てんようこく）に産まれて１７年と１ヶ月の九條（くじょう）サクラは、目の前にいる者を見て驚き目を見開く。

　今この瞬間まで一緒にいた幼なじみで婚約者の１つ年下のユウリとはまったくの別人が、目の前にいるのだ。

　黒髪にキリっとした切れ長のアイアンブルー色の目。そして透き通るほどの白皙ですっと鼻筋が通った端正な顔立ち。１８０㎝はあろうかという長身とモデル並みの体型の男性。

　サクラは誰だと凝視する。そして口から自然と疑問がこぼれる。

「あなた、誰？」

「俺か？　俺はナギリア・リュウゼン・アルティールだ」

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　　　　　　　　　　　　碧心☆あおしん☆