70.上を目指して突き進む

王様のいる場所といえば…最上階でしょう!


と、言うことで現在俺達は上を目指して進んでいる。城の内部は迷路のようになっていて、細い通路と小部屋が複雑に入り組んでいる。城ってこんな迷路みたいな場所だっけ???


「おそらく、魔物化した王が作り替えたんだろうねぇ」

「罠が地味に面倒ッス」

「なー、ちょっと休憩せぇへん?ウチちょっと疲れたわ」

「お腹空いたにゃー」

「いやー、気を張ってるからか肩が凝るな」

「そうですね、魔力も減ってますしこの辺りで一旦休憩挟みたいです」

「オレも腹減ったな」

「ちょっとおトイレいきたい…」


そんなわけで、小部屋の一つで休憩をすることにした。敵が現れないように簡易セーフゾーンを設置しておく。これはムラサキさんが提供してくれたモノで、トラッテンという街の錬金工房で買えるアイテムだそうだ。


「これは便利だな。廃城の攻略が終わったら行ってみてもいいなぁ」

「錬金術が盛んな所だから、他にも面白いアイテムや薬品があるよ。錬金術スキルがあるなら行くのをお勧めするね。ウワサでは蘇生薬のレシピもあるらしい」

「そうなのか!次の目的地はトラッテンで決まりだな」

「まぁ、まずはココを攻略してからねー」


休憩をはさみながら、上の階を目指していく。出てくる敵はスケルトンとゾンビ。それから雑魚キメラ達。とにかく、入り組んだ道と罠にてこずるも何とか上の階へ進んでいった。


「おっと、ここはなんの部屋なんだろうね?」

「うーん、他に道はなさそうだしこの奥に階段がありそうだけど…」

「出るでしょうね…」

「おヤクソクってやつッスね」

「何がでると思います?」

「宰相かにゃ?」

「いやー、それはないやろ。宰相さんは王様封印しとんのやろ?」

「これまでで出てこなかった城の関係者って誰が居たっけ?」

「…料理長?」

「あかーん、ウチら食材になってまうやーん!」

「美味しく頂かれちゃうのにゃー!」

「美味しくはなさそうだな」

「ちょっと!この人失礼なんたけど!保護者ー!」

「ほらほら、コントはそこまで。開けるよー」


いつもより人数が多いからか、道中は大変にぎやかだ。たまにはこういうのも楽しくていいな。そう思いつつ、ムラサキさんが扉を開けるのを待つ。扉の上にはダンスホールって書いてあるが…


『我ガ王ヲ、オ守リスルノダ!!衛兵ヨ集エ!我ラ王国騎士団ノ力、トクト見ヨ!我ガ名ハ、騎士団長バルナバス!イザ参ル!』


なるほど、騎士団長と騎士団かー。騎士団長は筋肉質で肌は青黒い。筋肉が異様に盛り上がっていて、口には牙がある。背中からも腕が生えていて、全ての腕が剣を持っている。


「これは、かなりパワー系っぽいね」

「雑魚がどれくらい湧くか…配置はどうする?」

「そうだね、ネクターに騎士団長を受け持ってもらって、まずは雑魚掃除からかな?」

「りょーかい」

「んじゃ、オレらも雑魚掃除ッスね」

「骨なら任せるにゃ!」

「ももっちの回復はウチがやるわ。サッちゃんは雑魚をどかーんとやっちゃって」

「わかりました。おねがいします」

「バナナはシオン君と一緒にネクターのサポートでいいかな?」

「あいあいさー」

「んじゃ、オレが雑魚を引き付けるわ」

「ルド、装備変更忘れずにね」

「ルドガーってば、たまに盾忘れるんよねぇ。ほんま、ヒーラーの身にもなってほしいわ」

「ははは、いつもスマンなー」


作戦を決めて、まずはネクターが突っ込んでいく。騎士団長が雄叫びをあげると、アチコチから鎧を着たスケルトンがやってきた。雑魚をルドガーが引き連れて、騎士団長から離す。部屋の対角にネクターとルドガーが位置取りをして、後衛はその真ん中だ。


雑魚組がスケルトン兵士を片付けていく…が、次から次へと湧いてくる。多すぎるだろ!あ、サクラがすんごい笑顔だ。ずっとサポートに徹してたからな、たまには暴れたくなる気持ちはわかるぞ。範囲魔法をドカドカ撃ちまくってるが後戻り控えてるし程々にしとけよー?


おっと、部長が見慣れない武器を取り出したな。それは?火炎放射器?…いつのまに買ってたんだ。あぁ、ドワーフの里で見付けたのね。他にもあるの?へぇ〜、面白そうだな。うん、好きにやってくれ。


カリンの足はどうなってるんだ?ほぉ、足技専用の武器なのか。風の属性が付与されてるんだな?へぇ、蹴りで竜巻が起きてるぞ!なんでキメラ戦で使わなかったんだ?…あぁ、敵を一箇所に集める技なのか。それじゃ使えないな。ここは広めだし使えそうだから出したって?うんうん、ドワーフの里は何でもあるなぁ。


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ここまで作品を読んでいただきありがとうございます!


さて、廃城を進むシオン君達ですが目の前には騎士団長が立ち塞がります。

彼らは無事に切り抜けることが出来るのでしょうか?


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