これが我が一族の能力
葉月櫂斗
プロローグ〜明里サイド〜
『明里。次の連休に旅行に行きませんか?』
いつものように電話していたら。
慶士てば旅行行かないかって。
行きたいけど。
誰かに見つかったら。
「……」
『明里?嫌、ですか?』
「誰かに見られたら」
だって、慶士は私の担任教師なんだよ。
私はそのクラスの生徒なんだよ?
見られたら慶士困るじゃない。
『大丈夫です。俺を信じて?ねっ?』
「慶士がそういうなら」
来週。
創立記念日と土日が重なり三連休。
「どこに行くの?」
『奥州の平泉町です』
ドクン。
奥州の平泉。
あなた達が命を落としたあの場所?
何故?
慶士との出会いは私が鎌倉時代に一族の力でタイムスリップした時。
うちの初代当主の水城愁一郎様。
彼と慶士は友人で愁一郎様は不思議な力のことも話していた。
私にとって愁一郎様はお父さんのような兄のような存在。
現代で私の前に現れた清盛の幽霊。
あれは倒さなきゃいけない存在らしい。
最初は水城家でお世話になっていたけど。
愁一郎様が源氏にコネがあるのか源氏の軍隊に入れるようになったんだよね。
何日かかけて鎌倉の源頼朝さんの屋敷に行き、九郎さんの部隊で戦うことになった。
女性は私以外いなくてだからって特別扱いはされなくて。
特別扱いなんかして欲しくないしね。
慶士は九郎さんの部隊にいた。
当時の名前は『武蔵坊弁慶』。
それが慶士の前世。
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