今日も今日とて配信を…

【前書き】

配信者:白海ネスイ

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「あーあー、聞こえますか?」


ー聞こえてる!

ーおおお

ー聞こえた!!

ーこんしろ~!


「よし!というわけでこんしろ~!HESKAL4.5期生の白海ネスイだ」


今日は久々にHESKALからお願いされた配信だ。

いわゆる案件動画に近いものだった。

と言ってもゲーム関係じゃない。

今までゲームばっかりだったから貰った時結構驚いた。


「今日はね案件です!というわけでこれ~!」


俺はじゃーんとカメラを起動する。


ー実写きたああああ

ーうおおお

ーカメラマジ!?!?!?

ーおおお


「カメラ見えてるね?おけ!今回はHESKALとカードゲームがコラボしたらしいのでじゃんじゃん引いて行こうと思います!!」


もちろん顔とかが映らないように最大限の注意を図ってある。

もしもの時用にも自分の顔は隠してあるし大丈夫でしょう。


もちろん手袋、そして長袖をして最大限自分が出ないようにしてある。


「よし~!ちなみにこれまだ発売じゃないんだよ~?」


ーうわあああ

ーうらやますぎる

ーパッケージがもう良い

ー絶対買いたい

ーうおおお


「HESKALver1.0ということで、第一弾のコラボなのかな?なんか表記的に第二弾とかもありそうだよね。」


パッケージはやはりマナや春陽など代表となるVTuberが勢揃いしていた。


レアは4段階。

ノーマル、レア、スーパーレア、そして最高レアのウルトラレア。

ちなみに、数字表記だと、N、R、SR、UR

結構有名な表記なので覚えていて損はない。


「あれ、シークレットもあるのか。ちなみにこの配信で出るかは分かんないよ」


20パックを渡されただけで内容は全く教えられてない。

だから開封する身なのだが、ワクワクが止まらない。


「カメラちゃんと映ってるね?じゃあ1パック目行っちゃいますか~!」


ー実写珍しすぎる

ー何なら初じゃない?

ーどうなんだろ

ーうわ~!

ー1パック目って凄いワクワクする


「それな!?1パック目ってワクワクするよな~」


ハサミで先端を切ると、いよいよカードが出てくる。

何が出てくるかな…………?


「おっ!幸先良いね」


出てきたのは光マナ。

レアということでまあ悪くない。

彼女がニコニコで配信をしている姿だった。



出来ればこの配信でUR、欲を言えばシークレットまで当ててみたいところ。


「これ20パックあるし、ノーマルいちいち止まったら1時間じゃ間に合わないかもな」


時間は1時間と言われてある。

いや少なくない!?と俺も言ったんだが、どうやら結構大事な枠が被ってしまうらしい。

仕方ない…………。


ー枠短すぎでやばい

ー草

ー枠短くね????

ー1時間で20パック結構えぐい

ーじゃあもう仕方ない

ーノーマルは飛ばす方が良いかも


「じゃごめんだけど飛ばすわ、見たい人は自分の目で確かめてくれ。」


というわけでここからは冒険だ。

何が出るかな~と期待しつつ運命の2パック目。


「うーん全員ノーマル、まあそういうこともある」


ガチャであろうと、こういうのであっても爆死すると悲しくなるのはおそらく世界共通なんだろうな。


「3パック目~!1枚光ってる!なんだろ」


一番最後のカードが光っていたので恐る恐る見てみる……。


「あ、ひなだ!ひなのレアカード。いいね~」


彼女のアイデンティティも割とソシャゲ寄りだからなのか、アサルトライフルを抱きしめつつめちゃくちゃ笑顔だ。

うーん、彼女らしい。


ー欲しい~!!!

ー可愛い

ー良いな

ーえ、これレアなん????

ーやっば!欲しすぎる。

ーこの配信需要ありすぎ。

ー青城ひな/ください

ー本人草

ーわろた

ー本人だ

ーwwww


「え?あ、ひな来てるwwww良いでしょ~!」


カメラにカードをちらつかせて、ほらほらと煽ってみる。


「よしよし~、レアはちょっとだけ縁にホロ付いてるね。がっつりじゃないけど縁だけでも光に反射されるの良いね~!」


こんなカードがたくさんあるのか。

あれ、まずレアって何枚あるんだ?


それすらも聞いてないからワクワクが凄い。

そもそもSRやURが誰のカードなのかすら分からない。


「いいね~!この調子でいっぱい来てほしい。ということで4パック目!」


一旦何もなかったかのような見事な爆死を披露した。

うーん、まあずっと当たりが来る方がおかしいか。


「次~!どんどん行くよ!」


5パック目、ここらで何かを……おっ!?


「わ!なんか光ってる!」


カードをちょっとずらせば、おもむろに光っているカードが。


「すご!!プリームだ!なんだこれ!」


プリームがカード一面に輝いている。

カードの絵柄は、配信中というよりは衣装付きの写真のようにも見える。


あれ、でもこの衣装見たことないな。


「これスーパーレアか!すご!!!この衣装たぶんオリジナルぽくない!?」


ーは!?!?!

ーなにこれ!!!

ーえ、やばい今すぐにでも欲しい

ーオリジナル衣装やん!!!

ー見たことない衣装

ーうわあああなんだこれ!

ープリーム/ください

ー本人www

ー既視感あるぞこれ

ーさっき見たわ


「あげません~!ほらほら~!」


こんな感じで煽ってるが1時間後にはこいつも拝見してそうだな。

部屋に乗り込んできそう。


「じゃ、この調子で行くぞ~!時間もあるしな。この調子ならURも出るだろ!」


ただし調子に乗るのは禁物。

6パック目、7パック目は共に爆死してしまった。


「うーん、1パック1パックちゃんとしないとな」


ちょっと待ってね…と言って一瞬席を離れた。

すごい名案を思い出してしまった。


ーなんだなんだ?

ー???

ーやばいネスイが変な方向に

ーなに??

ー??

ーなにするんだろ


コメント欄がざわつくなか、


「よいしょっと」


とあるものを抱えて戻ってきた。

そう、HESKALのぬいぐるみ達である。


「たぶんね、日頃の感謝が大事なんだと思う」


カメラの前に持っているHESKALノーマル面々を並べた。

と言ってもこれらは自分で買ったんじゃなくて、プリームが部屋においていった者たちなんだけどな。

彼女は全キャラコンプしてるらしい。

うーん怖い。


「よしよしこれで…」


ー草

ー草

ーわろた

ー草

ー???

ーネスイおかしくなった

ー??

ーひなだけ雑すぎるwwww


「ということでね、8パック目~!」


ちゃんとキャラ達の前でパックを出す。

頼む~とでも言うかのように祈りつつ


「よし!出るだろ!」


パック開封…


あれ?


「出ねえじゃねえか!!!」


出ると思ったのに…

ひなのぬいぐるみを持つと除外した。


ー草

ーわろた

ーwwwww

ー草

ー知らねえよwwwww

ー青城ひな/おいおいおいおい

ーひな虐

ーひな除名されてて草なんだが


「よし!これで良いのでるだろ」


パックは勢いが大事!

9パック目を手に掴むとすぐに開封。

変なことしてるから当たらないんだろ!

そうに決まってる。


「おっ!?」


ー!?

ーはぁ!?

ー???

ー草すぎる

ーなんでだよwwwww


まさかのレア以上二枚抜き。

いいね、運がいい。


「1枚目は…アクリスのレアカードだ!すげえ執事っぽい衣装でかっけぇ」


普通に欲しいと思ってしまったほどだ。

流石アクリス、魅力を最大限引き立てている。


「2枚目…あれ、見たなこれ」


ひなのレアカード。

すごい既視感がある。

それもそのはず、3パック目に出てきたものと同じだ。


「すり抜けじゃねえか!ふざけんなよ」


ひなのぬいぐるみを若干に揺さぶる。

炎上しない程度だが、割と投げてやってもいい。


ー草

ーわろた

ーwwwww

ーひな虐助かるね

ー青城ひな/私悪くないよね??ねぇ???


「ひなのレアカード2枚あっても…まぁいいか。次行こ」


まだ次で10パック目。

ここで何か出ないかな~


「お!これは来ただろ!!」


最後の1枚が縁にホロ。

レアカード確定だ。


「レアカードって何があるんだろ。まだ二人しか知らないんだけど」


ひな2枚を不満に思いつつ、最後の1枚を見てみる。

角だけ見てひなじゃないことにほっとしつつ、


「おっ!これはもえのレアカードっぽいね。いいな」


♪が溢れるカード。

幻想を表している感じで凄くいい。


ーすげえええ

ーえ、やば

ー普通に感動した

ーレアってなに??

ー全部ウルトラレアやろこれ


「めっちゃ綺麗だな…」


流石というべきなのか。

このカード会社をよく見たことあるがここまでクオリティがハイレベルとは思わなかった。



10パックの開封が終了。

レアが4枚

スーパーレアが1枚


別に悪いわけではなさそうだった。





さてさて、後半戦行くかぁ~!!



「運命の11パック目~ひな出なかった当たりかな!」


ーもはやハズレ枠草

ーわろた

ー草

ーwwwwww


「普通に出なかった!ひなをしばくぞ!」


ノーマルのみ。

まぁ普通にハズれたって感じだな。

レアが何枚あるか分からないけどもう1,2種欲しかったり。


「12パック目~またはずれか」


うーん仕方ない。

確率は収束するとかいうし。


ノーマルかぁと思いつつカードを眺めていると、


「あれ、ノーマルカードってもしかして特別衣装じゃね?」


ーえ、まじやん!!

ーうわ!!!

ーがちでやばい

ーうおおおお

ーノーマルが当たりになっててえぐい


「え、すげえ。皆可愛い当たりやん!」


ー唐突な激アツよしてもらって

ーえぐ

ーうわやば!

ーめちゃくちゃほしい!!

ーうおすげええ


「え、やばいな。これノーマル何枚いるんだろ」


HESKALの4期生までで人の数が何人だっけな。

想像以上に多くてびっくりしたんだよな…。

知らない方達もまだまだ居て、勉強も浅いばかりだ。


「すげえ。」


ノーマルカードが実質ノーマルじゃないという謎次元に感動を覚えつつ、次のパックを手に取った。


「13パック目~あ、レアあるね」


2枚目かな?

1枚だけレアカードが入ってる。


何があるかな~とワクワクしながら見てみる。


「おおすげえ、アーラン・ベルきた!」


1期生で少し絡みがあるアーランベルの登場だ。

イラストレーターを行っていることもあり、テーマは絵師らしい。

カード内のタブレット画面に映るキャラクターはオリジナルなのだろうか。

めちゃくちゃに良い。


ーうわすげえ!

ーやばい

ー特徴掴みすぎ!!

ーこれは運営分かってるなぁ

ーアーラン・ベル/ください

ーなんで本人すぐ来るんだよ

ー皆見てるの本当に草


「レアもいいね~、でも1期生2期生が多いな。そういうものなのかな」


運営からなにも言われていない以上、俺も分からない。

実はレアをコンプしてたり…とか、

実はめちゃくちゃ下振れしてるとか、

なにも分からないからワクワクもすごい。


「14パック目~ノーマルのみか。でも良いな。イラストすごい」


縁にホロさえ付ければレアカードに早変わりしそうなくらい全部良い。

一つ一つに気持ちがこもっていると言うべきなのか。

知らない人でも思わず引き込まれそうだ。


「よしよし、じゃ15パック目行くぞ!」


周りのぬいぐるみに見守ってもらいながら開封する。

もう残り少なくなってきたし、頼むぞ~という気持ちで開けた。



「!?」


言葉のない驚きが飛び出した。

これは今までに見たこのない輝き。


ーふぁ!?

ー来たんじゃね!!

ー!?

ー!!!!

ーきたあああ


「え、これURだよね???」


縁もすでにSRとは違う光り方をしている。

ドキドキが止まらない中恐る恐る見てみる…


「春陽だ!!!すげええええ」


出てきたのはUR。

戦闘中のかっこいい春陽がイラストに使われている。

いやクオリティが鬼すぎて語彙力がない。


ーうおおおおお

ーなにこれ!!!

ーは、すごすぎ!!!!!!

ーURは格が違うまじ!?

ーこれレア度の差別化上手すぎる

ー欲しすぎるんだが

ーやっばめっちゃ欲しい

ー春陽のゲーム部屋/ください

ー本人やっぱり見てた

ー草

ー居るよね~


「いやなんだこれ…すげぇ」


ホロも他とは違うものを使っているのかカードの光り具合も全然違う。

というより、URは傾けると虹色に反射する。

これがまた良い。


「いやぁまじか…えぇ」


本当に出るとは思わなくて凄く驚いている。

ヤラセなどと言われてるが、こればっかりは出ると思わなくて何も言えない。

ちなみに本当に運営から何も聞かされてないのちょっと可哀想に思えてきた。


「16パック目…まぁハズレても良いか」


感動が全く冷めないな。

本当に良いカードすぎる。


そのままの気分で17,18.19パック目と引いたが特に何も当たらないまま残り1つ。


「もう1パックか、早いな~」


ーはやい

ーもうこんな時間なの信じられない

ーまじやん

ーラスイチか

ー奇跡起こして

ーシークレット見たい


「レアでもいいから持ってないやつ…来い!」


最終パックを開封。

最後にやはりシークレットが!?とはならなかった。


「あ、でも最後レアカードっぽいな」


まぁレアが最後に来てくれただけでも良いか。

1枚ずつ眺めながらめくっていく。


「ラスト~!ほい!!」


ラストのカードは…


「ひなかよ、本当にふざけんなよwwwww」


ーwwwwww

ーとことん好かれてるの草

ー笑った

ー奇跡すぎる

ーそうはならんやろwwww

ーは?wwww


「ひな3枚です、こんなに要らねぇ」


カメラの前に三枚をばーんと並べた。

うーん、全部一緒。


ー要らない草

ー笑う

ー青城ひな/私悪くないよね!?

ーもはやひな虐は運命

ー変なところで奇跡起こすな???


「まぁでもUR出たし良いか~」


確率は知らないけど結構良いやつなんじゃないか!?

まぁシークレットを当てれなかったのは悔しいが、悪くない結果だった。

ふと時計を見ると、配信から1時間が経過しようとしていた。


「ということでね、今日の配信はここまでかな。」


カード開封なんて配信外でやることがまずないから結構新鮮でよかった…。


「これ売られたら俺も買うかもな」


シークレットめちゃくちゃ気になるし、そもそも全部の絵柄が良すぎて買い集めたい。


ーわかる

ーこれ絶対買うわ

ーはよ来てくれ

ーほしいー!!!

ー買いたい


「よし、じゃあ次の配信でまた会いましょうか!

おつねす~!」


今日の配信はこれで終わり。

楽しく出来て何よりだった。






リビングに夜音がスタンバって居たのは言うまでもなかった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【後書き】

番外編第2号?

2話に分けるか、読み切りにするかめちゃくちゃ迷いましたー!!

なんとなくで書いてると構成考えてないので文字数がすごいことになる…。



番外編を年末まで書いて、新年から5.5章。たぶんこれで確定!

頑張りますーー!!

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