第133話 驚愕の告白
『あそこ敵居ます!』
とendmが言ったので見に行ったらすでに全滅。
そんなことが何度かありつつ終盤。
lucusとwartは当たり前のように事を進ませているが、
冷静に考えて、1人でtop層をボコボコにする彼女が怖い。
「敵あそこに居るかもな」
スナイパーで索敵しつつ、暇な時間が続いた。
というのも、endmが何度も奇襲を仕掛けたおかげか、他パーティ同士もどんどん戦い合っていった。
『あの崖下ならわんちゃんだけど………流石に遠いな』
ざっと300mだ。
相手に気が付かれると一気に不利になる気もするのでうかつには行けない。
となると、特に関係のない雑談が広がるのだ。
『ねーねー、ネスイ~』
wartがわくわくしそうな声で俺に声をかけた。
「なんだ?」
『VTuberってどんな感じなの~?』
『それ俺も聞きたいな』
「えぇ、どんな感じって言われてもな」
『私も、少し聞きたいです』
endmが言うなら………とそう自分に言い聞かせつつ、
「まあ、面白いよ。ゲーム配信者でもやっぱり界隈がまるきり違うように感じる。」
「女性VTuberさんとの絡みも増えたしね」
一応、blanc時代からもコラボ配信はすることがあった。
その中にはVTuberも含まれていて、関わることがあった。
けれどやっぱり男性VTuberが多くて、女性のVTuberとは関わりが少なかった。
VTuberになると、女性VTuberと関わることが急激に増えた。
HESKALという女性Vを基本としている企業だからかもしれないが、それでも俺からしたら新しい世界だ。
「まだ、全員を把握しきれないけどね」
この前ホームページをチラッと見た。
HESKALはてっきり少人数企業なのかと勘違いしていた。
でも、実際は50人超え。
HESKALはVTuber企業の中でもtopなので、よく考えれば分かることだった。
世界は広いな………。
『へぇ~』
wartが興味深そうにしていた。
まあ、VTuberやれば?と誘うのもありではあったが、空気的に違うかと止めといた。
特に進展がないランクマを背景にいろいろと考えていると、
『私、やってみようかな……VTuber』
「え?」
『え?』
『え?』
endmが唐突にとんでもないことを言いだした。
流石に俺を含めた3人は驚愕だ。
『まあendmなら行ける…のか?』
lucusも流石に言葉が詰まっている。
いや、別に彼女がVTuberしたいならすればいいが、
それでも今までの彼女を見てきた俺らは意外という言葉では収まらなかった。
『endm~本当にやっちゃうの?』
『やってみたいですが…どうでしょう』
「どうでしょう……っと言われてもだな……」
VTuber初心者の俺にはそんな相談難しかった。
誰か相談相手居ないかな………。
「endm、それはどのくらい本気?」
ここで冗談ならまあそれでもいいのだが、
『やりたいです。』
彼女の意志はそれほど冗談ではなかった。
「じゃあ一応相談相手が居るけど…喋る?」
近くに居て、VTuberを昔からしている人。
まああいつだわな。
『良いんですか?』
「プリームっていうやつなんだが、プリーム・アラモート」
『blancさんがよくコラボしている方ですよね?』
「もしかして配信見てるの?」
『はい!メンシプももちろん入ってますよ』
ええまじか。
ていうか驚きでlucusとwartは黙ってゲームしている。
俺もendmも試合に参加しているが、敵はいつの間にかやられていて介入出来ない。
「まあ連絡先あげるよ」
プリームとしての仕事用携帯の連絡先なら良いだろうか。
まあ大丈夫か。
あいつにも教える力を磨いて欲しいものだ。
『あ~blancそこ後ろ敵』
すっごい話に入りづらそうにwartがそう言った。
後ろ振り向くと、今にでも撃ってやろうという構えの敵が現れる。
「うぉっと」
間一髪ギリギリで回避すると、そのままサブマシンガンで決めきる。
「あれ、もう終わったの?」
画面の真ん中にはチャンピオンという文字。
どうやら俺とendmが話している間に終わったようだ。
『blancのVTuberなんて見たことないかもな』
「まあ進行下手くそだし見てもあんまり……」
正直まだまだ未熟なのを感じている。
そろそろ進行も上手くなりたいなと思いつつ、次マッチに行く。
他愛のない会話をしていると、一本の連絡が入った。
マネージャーの岩佐さんだ。
《コラボ配信が決まりました。コラボ相手は………》
今までもVTuber活動面白いが、今後も面白くなるな。
そう確信すると笑みがこぼれた。
wartに気味が悪いと思われたのは言うまでも無かった。
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