第74話 チュートリアルはいつまでも…
『ぎゃああああああああああ』
『来るなああああああああ』
さて、1時間が経過した現状を説明しよう。
まず今彼女たちは首が取れた少女に追いかけられている。
少女は怖い怨霊を追い払う練習だって言ってんのに…。
『くんなああああああああああ』
『逃げろおおおおおおおおおお』
と一切少女との間合いを詰めようよせずただ逃げ回っている。
ちなみに本来はここで追い払うために近づく必要があるんだが…
「やれやれ」
ー1時間経ったってま?
ーまだチュートリアルなの草
ーいつ終わるのこれ
ー冗談抜きで年越すぞこれ
ーまじで草
ー流石にもう怖くない
『これどうすんの~~~!!!!!!!!!!!!!』
『助けてネスイ~!!!!』
「あのさ…」
とりあえずこいつらに勘違いを正してもらおう。
まずは近づかないとダメという趣旨を伝える。
『え、アレに近づくの!?!?!?!?』
『無理なんだぜえええええええええええええ』
「お前ら、まだチュートリアルだぞ…」
ー草
ーこれ終わる?
ー※チュートリアルは5分あれば終わります
ーまさか1時間耐久するとは
ー1時間チュートリアルは逆にきついだろwww
ーもはや一種の才能
ー早く慣れてくれ
『じ、じ、じゃあ…近づいて、みる?』
『プリーム、がんばってくれなんだぜ…』
もはやひなは恐怖を通り越した感じがする。
プリームは未だ怯えている。
「はよやってくれ…」
誰がこんなに長いチュートリアルを見たいんだよ。
1時間で終わらないなんて作者もびっくりするわ。
『ち、ち、ち、近くで見ると、こ、こ、怖いね』
『プリーム、怯えすぎなんだぜ』
「おい、誰が言ってんだよ」
とりあえず何とかチュートリアルの前半あたりはクリアだ。
ちなみにまだ後半があります。
『え!?まだあんの!?』
『このゲーム永遠にあるんだぜ…辞めたいぜ…』
「お前ら…」
ーこれチュートリアルってま?
ーそのコメ流れ過ぎだろとか思ってたけど気持ち分かってきた
ーこいつらよく耐性付かねえな
ーまだあと半分あるんだよなあ
ーこれ何回かに分けないと永遠に終わらない
「そうだな。何回かに分けるか…」
『お!?』
『よっしゃあああああああああああああああああああ』
『よし!今日は終わろうなんだぜ』
『チャンネル登録お願い!じゃあね!おつプr』
「んなわけあるかああああ」
『なんでえええええええええええええええええええ』
ー撤収速度www
ーこいつらなら本当に終わる
ーひなのキャラが崩壊してる
ープリームも崩壊しかけだな
ーまだ終わらせねえ
「せめて、チュートリアルだけでもやってもらうぞ」
もはや視聴者など考えてない。
ただ戒めとしてなので配信はおまけだ。
とりあえず何回かに分けるとしてもチュートリアルくらいはクリアしてほしい。
いや、クリアというよりは完遂か。
『私は大丈夫私は大丈夫私は大丈夫私は大丈夫』
『ひなが壊れちゃったあああああああああ』
「はあ」
これ本当に終わる?
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さて、2時間経過した。
本来ならこのゲームのストーリーも中盤へと入っていくのだが…
『ぎゃあああああああああああああああああああああああああああ』
『いたあああああああああああああ』
『来るなあああああああああああああああああああああああああああ』
うん?デジャヴかな?
彼女たちのチュートリアルもいよいよ最後へと辿り着いた。
最後の実戦練習だ。
怨霊を見つけ、そして追い払うのだ。
ちなみに怨霊は3体しかいない。
あ、彼女たちは1体もまだ討伐してないっす。
『にげろおおおおおおおお』
彼女たちは追い払うどころかただ逃げてるだけだった。
ー霊巻くの上手くて草
ー別の才能開花してて草
ーはよ1体追い払え
ーまだ0/3っていう
ーもう2時間なの草
ーもはやこれ本編かな?
『これどうすればいいのおおおおお』
『助けてネスイ~~~!!!!!!!!!!』
もはや2人とも声が一緒で判別がつかない。
まあおそらく今のはひなか。
「はあ。」
とりあえずまたやるべきことの趣旨を伝える。
『え、追い払う…?3体も?』
『無理無理無理無理』
「まあ頑張って」
正直怨霊は姿自体は怖くないのだ。
だからこいつらが怖いと思ってる理由は良く分からない。
『ネスイ~~~~~!!!!!!!!!!!!』
『助けてよおおおおおおお』
とりあえずせめてチュートリアルを終わらせてくれ。
ーようやく趣旨が分かった
ーこいつら恐怖に包まれてるせいでチュートリアル見てない説
ーそれある
ーナニコレ
ーが、がんばれ…
『これが、怨霊…』
『早く!早く追い払ってええええ』
『どっかいけええええええええええええええええええええ』
『やったああああああああああああああああああああ』
ーお~おめ!
ーすごい!!
ーめっちゃ喜ぶやん
ー※1/3
ーあと2体
『あと2体!頑張ろおおおおお』
『いけええええええええええええええ』
ひなも調子が出てきたのか、それとも頭が狂ったのかハイテンションだ。
プリームも同じようなテンションだった。
『終わったあああああああああああああああああ』
『やったああああああああああああああああああ』
『ひな!私達よく耐えた!!!!!』
『プリーム!私達頑張ったんだぜ』
ーおめ!!!
ーお疲れ様!!!!!
ー※チュートリアル
ーあ、忘れてた
ー2時間半やってんの本当に謎
ー逆に凄いよ
「2人ともお疲れ様。続きは今度にしよっか」
『ネスイは天使なんだぜ』
『まじで神すぎいいいいいいい』
『それなあああああああああああああああああ』
「お前らテンション大丈夫か?」
配信を終わらせる理由はあまりにもチュートリアルが手こずっていて
こいつらの精神状態が不安だった。
それにこんなに沼ってると同接視聴者も減ってきそうだった。
「はあ。お疲れ様」
『おつぷり~』
『お疲れなんだぜ。また会おうなんだぜ!』
「あ、言い忘れてたけどまたこれ続きやるからね」
『はあああああああああああああああああああああああああ』
『ネスイは敵なんだぜえええ』
「当たり前だろ!チュートリアルしかやってねえんだぞ!?」
ーチュートリアル長かったなあ()
ーちゃんと続き配信待ってます
ー次はどこまで出来るかな?
ー1割も行かなかったりして
ー伝説企画になりそうで草
「というわけでお疲れ様!!!」
まさかこの2人がホラゲーにこんなに沼るとは思わなかった。
けれど案外視聴者的に面白かったらしくて良かった。
さて、続きはいつしよっかな。
今、俺の脳内はそれでいっぱいだ。
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