第68話 実質初めてのオフコラボ

「春陽、準備良い?」


『大丈夫!』


「じゃあやりますか」


《春陽とクリスマスオフコラボ!雑談配信~》


「こんしろ~。HESKAL4.5期生の白海ネスイです!」


ーやあ

ーこんしろ~

ーせっかくのクリスマスだったのに

ーこれ見る予定あったから暇じゃなかった

ーそれは暇なんよ

ーオフコラボきちゃあ


「さて、今回はオフコラボということで、お隣にね。一人居ます。どうぞ~」


『やあやあやあやあ。おはぴ~HESKAL2期生の春陽だよ!』


「ということで春陽が来たぞおおお」


『いええええええい』


この声を聴いて思ったのだが、春陽は声を作っていないのか。

夜音とかは声を作ってるからこそ、逆に違和感だ。

まあ、俺も作ってないのだが…。


「というわけで今回はお二人で話すんですけど、クリスマスですよ春陽さん」


『クリスマス~!ネスイは彼女とか居なかったの?』


「痛いところ突いてくるな~。ちゃんといないよ!!」


ー居ないのねw

ー知ってた

ーまあいたら配信してないか

ー今日配信してないやつは全員敵で

ーそれならHESKALほぼ敵に回るぞ

ー彼氏、彼女持ちの人いたっけ

ー居ない。

ー皆暇じゃねえか



「そういう春陽も居ないんだし。お互いドンマイということで」


『悲しいよおお』


「まあまあ、とりあえずご飯でも食べながら話しましょ」


流石にご飯を食べながら姿を動かすことは出来ないので、音声だけになるんだが仕方ない。


『いただきま~す』


「いただきます」


『ん~おいしい!!!』


「そう?」


『今食べてるのはシチューなんだけど、なんか普通の味じゃない!!』


「いやいや、市販のやつ使ってるから…」


ー春陽おいしそう

ーうらやま

ーネスイもしかして料理出来る?

ーえ?

ー食べてみてええ

ー絶対おいしい。

ー春陽の声が物語ってるしな。


『まあ、美味しい料理を食べながら色々話しますか~』


「まあまずはやっぱり印象だよね…」


『私はネスイと始めて会った時、まじでカッコいいなって思った。ていうか面倒見良さそうだしめっちゃモテそう』


「でもモテてないのが現実なんだよな。」


『まあまあ。これでフリーなのが信じられないよ』


ーネスイはやっぱりカッコいいか

ー料理出来て顔立ち良くてゲーム上手い

ー勝ち目無いです…

ー完璧じゃん

ー見てみたいなあ


『ネスイは私と会ってどう思った?』


「ん~すごくコミュ力高そうだと思った。あと顔立ちが良すぎる。」


『ほぼおんなじの事昔プリームに言われたよ~』


「あはは」


ーコミュ力高いのは実際そうなんだよな

ーてかもう全然違和感なく話してるのが結果

ーこれでも横でご飯を一緒に食べてるんだろ?

ーうらやますぎだろ

ーおいネスイ。そこをどけ


「そっかプリームと会ったことあるんだね」


まあ流石に2期生同士だしあって当然か。


『そうだよ~。始めてのオフコラボだったんだよ。お互い』


「え、そうなのか」


『何をしたんだっけな~』


ーなっつw

ー1年半も前だぞ

ーゆうて1年半っていう

ー何したんだっけ

ー思い出せねえ

ーデスゲーム的なのしてなかった?

ーロシアンルーレット


『あ、そうだ!ロシアンルーレットだ!』


「え、一発目からそんなのしたのww」


『うんwww』


「何をロシアンルーレットしたの?」


『えっとね。寿司だね。ワサビ大量のを入れてた』


ー本当に面白かった

ーあれ神回だろ

ー再生回数1000万超えてるってまじ?

ーおもろすぎるもん

ー反応が完璧すぎたw

ー想像超えてきたし


「想像超えた?ちょっと見てみるか…」


配信画面に彼女たちの配信を載せた。

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『あぁぁぁぁぁ!ワサビだあああ。死んじゃう死んじゃう!!!!!!!!!』


『むりむりむりむり!死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ。水くれえええええ』


『なんでまた私なのおおおおおお。くそがああああああああああ』



とすっごい叫んでるプリームの声が面白すぎた。

ちなみにコメント欄のタイムテーブル的に結構な数をプリームが引いてるらしい。

そのたびに面白い反応を見せているのが笑える。

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『いつ見ても面白いやw』


「プリームってこんな叫ぶんだね。」


『いつもは結構優しめなんだけど、ある一定のラインを超えたら暴れだすからw』


ーマジで神回www

ー見てない奴は見た方が良いwwww

ー草

ー草

ープリーム死にかけ

ーこれリアルで見たかったな


「ん~てか春陽って高校生だったりする?」


『正解~』


「高校生活はどうしてるの」


『えっとね。普通に皆とわいわいして過ごしてるよ!』


「周りの人に言ったりしたの?」


『何が?』


「VTuberの事」


『仲いい人にしか言ってないんだけどさ。』


『ちょっと怖い。皆知ってるのかなって思うと』


「あ~。ちょっとわかるかもな」


実際プロゲーマー時代がそうだ。

親以外には誰にも言わず活動していた。

だからblancという名前が少しずつ浸透していったとき、

もしかして知ってる?とかという恐怖が押し寄せてきたことがあった。


まあ今となっては慣れたから良いんだけど、絶対身バレはしたくない。


『そういうネスイは高校生活どうしてんの~』


「端にずっと居ます」


ー草

ー仲間や

ーネスイも言うてそうか

ー端って良いよね(泣)

ーネスイってあんまり日常生活の話聞かないから新鮮


「確かに日常生活あんまり触れないかもな」


身バレしたくないっていう気持ちも結構あるけど、単純に話すような事が無いという悲しさの方が大きい。


『え~。もう少し知りたいな。なんか秘密とかないの?』


「秘密か…」


んー。ありすぎて逆に混乱する。


『やっぱりあるじゃん!ネスイは好きな人とか居るの~?』


「え…居ないよ?」


『ほんとかな???』


春陽はじっと見つめてくる。

流石になんか恥ずかしくなって、目線を外す。


『あ!今ネスイが目線を外した!!!絶対いる奴だああ』


「いやいやいや」


ーつかまったw

ー春陽の好物は恋バナだからな

ーネスイは本当に好きな人居なさそう

ー偏見だけど確かに思う

ー何か居る気配なさそう



「本当に居ないよ?」


『でもこれから出来るかもよ?』


「なんで」


『例えば私…とか?』


「え」


『あ!顔が赤いよ~、ネスイもそういうところあるんだ~可愛い!』



「くっそお…」


ーネスイ負けちゃった

ー春陽の魅力どんなんだろう

ーちょっとボイス欲しい

ー良い声だった

ーネスイの「え」が完全にリアル

ー恋愛小説かな?


『まあまあ、でもHESKALは女性多いし、何があるか分かんないよ~』


「そ、そうだな」


いや、企業内部での恋愛は普通に炎上しそう。

絶対避けるべき要項だった。



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