第67話 春陽とのご対面
「あ、えっと~…こんにちは~」
「え、あ、どうも…ネスイさん、ですよね?」
今俺の家にやってきた彼女は、春陽。
そして今回のコラボ相手だ。
春陽の雰囲気は、何というか、凄く頭が良くて人付き合いも良い高校生って感じか?
髪色は黒で、目元は若干青い?のか。
てか顔立ちが良すぎる。
服装も結構きちんとしていてすごいと思う。
対して俺は結構雑な服ではある。
最低限夜音に見てもらったのだが、彼女の見る目が良かったとは限らない。
「はい、俺がネスイです。今回はよろしくお願いしますね」
「はい!よろしくです!」
なんか二人ともタメ語ではなくなってるのだが配信までには何とかなるだろ…。
今回夜音は自分の家に居てもらっている。
流石にここで同棲的生活をしているとばれるのは良くない。
今回配信する場所は、リビングだ。
夜音がしていたのを真似しただけだが…。
「えっと…。配信の確認でもしませんか?」
この無言の空気を終わらせたく、俺から話しかけた。
「あ、そうですね。」
こうして配信の打ち合わせの最終確認的なことが行われた。
俺と春陽はこの配信までに何度かマネージャーさんを交えて話し合った。
ここで会うまでに先に一度会ってみるのはどうかと提案したのだが、
本番で自分に正直で居てほしいと言われたのでここまで待った。
「っとこんな感じですね。大丈夫?」
「は、はい」
さて、今回の配信は何をすべきか結構話した。
まあゲーム配信でもいいのだが、オフコラボ2連続ゲームはなんか違う。
というわけで今回は雑談配信だ。
色々二人で質問をぶつけるらしい。
「え、えっと。ネスイ、タメで話さない?」
「え、あ、うん。そうだね」
なんか春陽と俺の間で謎の間が空いている。
まあ、リアルで会うとなると少し緊張してしまうのは仕方ない。
ちなみに配信はクリスマスも兼ねている。
だから一緒にご飯を食べながらという感じでやるらしい。
つまり今からご飯を作り始める。
「では春陽、ご飯作りますか~」
「だね~」
俺と春陽はキッチンに向かう。
一応ご飯は事前に決めてたのでさっと作れそうだ。
春陽にけがをさせるわけにも行かず、手際よくどんどん作業を進めていった。
「ネ、ネスイ…料理出来るんだ…」
「まあ、一応ね」
この家には1人味にうるさいやつが住んでるからな。
「す、すごい…私あんまりできないから…」
「じゃあちょっとやってみる?」
もう大体やった。
あとはサラダをさっと作るだけなのだが、折角だしやってもらおっかな…。
このくらいは料理出来るだろう…そう思った俺がバカだった。
「ああああ。どう切ればいい?」
「まあサラダだしきゅうりは普通に切ればいいよ」
「普通って!?」
「え、上からザクっと」
「こ、こう?」
「そうだよ…」
きゅうり切るだけでそんな難しい?
おまけにトマトを少し切ってもらおうと思ってた。
「トマトはどう切るの?」
「半分で良いよ?」
「は、半分?」
「上からザクっと」
「こ、こう?」
「は、はあ…」
なんでこんな疲れるの?
まあ春陽だから許せるが夜音だったら軽く怒ってるだろう…。
「ご、ごめんね…。私料理することないから」
「そ、そうなのか。家事とかしてみたらいいのに。」
「こういうのは大体お手伝いさんがやってくれるの」
う、うん!?
何?専属のお手伝いさんとか居るの?
もしかしてお金持ち…?
なんか言われてみたら服とか鞄とか少しブランドの物にも見える。
「へ、へえ…」
驚きを隠せないまま、佇んでいた。
「あ、そういやネスイ。プリームと会ったんだよね」
「ネスイから見てプリームってどんな感じだった?」
「ど、どんな感じ?そうだな…」
「なんか、まあ優しそうだけどうるさかった」
「お~ご名答」
「何がご名答だよw」
春陽も笑顔で笑ってる。
笑顔もきれいだな。
「プリームはうるさいんだよね。」
「まあね」
「でも、プリームのおかげで私は居るんだ。」
「そ、そうなのか」
なんか深い話だな…
流石に深追いはやめておくか。
そう話してるとそろそろ配信時間だなあ。
「春陽~。配信用意代わりにしといて~。ご飯配膳しとく~」
「分かった~~」
さて、実質初めてのオフコラボ配信。
どうなることやら………………
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