第64話 初めてのオフコラボ
「さて、夜音。どうするの?」
今日の夜、いよいよ初めてのオフコラボだ。
色んな所から評判が集まった中行われるので失敗は出来ない。
ちなみに何をするかすら決めてない。
「んー何しよっか。」
ソファで吞気にもたれている彼女は余裕があるのだろうか。
「まず大体、オフコラボって何するんだ?」
「えっとね…」
夜音は体を起こしてこっちを向く。
「まあやっぱりゲームか、雑談かって感じだな。」
「そっか…」
いや、何すればいいんだよ。
てか今もうすぐクリスマスになるころだ。
まだ12/25ではないのだが、別に少しくらい早くても良いんじゃないか?
「クリスマスパーティとかどう?」
名案だと思い、彼女に投げかけたのだが…
「いや、2人だとおもんないでしょ」
「じゃあやっぱり雑談かなあ」
「まあ、最初はそれでもいいんじゃない?」
「あ、じゃあこの前俺が配信でやったミニゲームたくさんあるやつやるか?」
「そうしますか…一応質問とか集めとくからそっちもよろしく~」
っとあっさりとまとまった。
流石2期生。
これでも一応先輩なのだ…。
「あれ、ちなみにどこでやるの?」
オフコラボにもやり方はあるのだが、
今回は各自のスマホで自分を映して行うらしい。
まあ、俺の部屋でもいいのだが流石にそんなに広くない。
「じゃあ私の家でやりますかあ」
「そんなに配信部屋広いの?」
「前回の配信からリビングに機材置いたままだし、リビングでやろ」
どうやったらリビングで配信することになるんだ?
まあ無難に何かのパーティとかだろうか?
「じゃ、そゆことで~」
そうしてまた彼女はソファにもたれる。
絶対説明足りないんだよな…とか思いつつ、2期生を信じた。
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《プリーム&ネスイで初のオフコラボ配信!》
「こんしろ~」
ー始まっちゃった
ー来たか…
ーついにって感じ
ー何するの?
ー分からん
「というわけで今回はオフコラボやります!というわけで横に居る方をお呼びしましょう!」
『は~い!HESKAL所属2期生のプリーム・アラモートだよ!』
「いぇい!」
ー本当にオフコラボだ………
ー顔を見たのか
ー感想聞きたい
ーそれな
ー質問募集してたし後からするかもね
ーてか何するの?
「というわけで、今回は前回の配信でやったゲームやるんですけど、その前に!」
「初めてのオフコラボということで質問募集したので返していきますか」
『いえいえいえいえいえい』
「はしゃぎすぎだわ」
配信中での彼女を横目に見つつ、
「さて、じゃあ早速やりますか」
『やっちゃいましょう!』
〈お二人ともこんにちは!
初オフコラボ楽しみです!
ところでやっぱりまずは印象からお願いします!〉
「印象…か」
いや、いっつも会ってるから分かんない…
ここは適当な事流しとくか。
「容姿が良い。あと優しそう。」
『えへ』
おい、真に受けんなよ?
流石に今配信用のコメントだからな?
『ネスイはね~、頭爆発してそう』
「どういうことだよ!!」
ー単純にバカって言ってて草
ー草
ー草
ー草
ー流石にひどすぎるww
ー表現方法が謎
『まあ、まじめに言うと何かなんでも出来そう』
「お~、ありがと。」
配信用のコメントだと思って受け取っておく。
横を見ると夜音は笑顔でピースしてた。
なんの合図だ?
『ではでは次行こ~』
〈質問です。
お二人の名前の由来を聞いておきたいです!〉
「由来かあ。プリームの由来知らないな」
正直プリンが好きなのかなって思う人も居そうだが、プリン食べてるとこを見たことが無い。
『えっとね。なんだっけな』
「それ忘れるものなのか?」
『あ!名前を考えてるときプリンが机の上にあったからだ!』
ー単純www
ー何回聞いてもやっぱり意味分からん
ーじゃあコーラが上にあったらコーラって名前だったのか?
ー草
ーその理論好き
ープリン好きなの?
ーそこまでらしい
ーなおさらなんでだよw
「流石に単純すぎるなあ……あっ」
『どうかしたの?』
「いやいや何でもない」
一瞬脳内に余計なものが混じった気がする。
まあ気のせいか。今は配信に集中だ!
「てかプリームはいつからVTuberに?」
『んーと、1年半前からだっけ?』
ーそんくらいだね
ー1年半前だね
ーちょうどこの時期か
ー懐かしい
ーもう1年経ったのか
「そんな前なのか」
てか1周年記念のときわんちゃん俺VTuberなってたんじゃね…。
そういやある1日だけ調子がすごい良い日があった気がする。
『うんうん。てかネスイの名前の由来聞いてなかったね』
「あ、忘れてた」
思わず横を見るとがっつり彼女と目が合った。
「えっとね。」
俺が悩みに悩んだ名前だった。
白はblancをフランス語にした呼び名、
海は自分の名前、
音は夜音から取った。
水は何となくだ。
だから一応白海音水という感じ表記にしようと思ってたのだが、いつの間にかそんな考えは消えていた。
てかこれ1つも説明できない…
「まあ、なんとなくぱっと浮かんだのがこれだったの。」
ー案外適当じゃねえか
ープリームの事言えないw
ー結構ざついな
ーそれなw
ーまあ良い名前だと思うよ
『本当に~??』
横で彼女がニヤニヤしながら覗き込んでくる。
「覗き込んでくるな!」
無理やり手でどかす。
でも彼女は、あとでじっくり聞いてやろう的な顔をしていた。
『まあいっか。次の質問~!』
「よし行こう!」
なんとか謎の恐怖エリアをすり抜けた。
「質問ばっかもあれだし、これで終わろ」
『そうだね!』
〈質問失礼します。
少し前の配信でプリームさんとひなさんが
ホラゲーするみたいなのを言ってたんですが、それは本当ですか?〉
『あ、えっとそれは…』
「本当です!!!」
『え、ネタじゃ…』
「ちゃんとやります!!」
ー草
ー確定しました
ー楽しみに待ってます
ーこれネスイが実況したら面白いんじゃね?
ーお前天才?
ーてかネスイも一緒にやったらいいんじゃね?
ーじゃあネスイも罰ゲームじゃん
「あ、俺ホラゲー耐性あるんで」
『ええええ』
どんどん横の彼女が青ざめていく。
「じゃあ俺も混ざって3人でやろっか」
俺がニコニコしながら横を向くと、彼女はうるうるとした目でこっちを向いている。
本当に嫌そうなのだが、あいにく俺はここで止めようと慈悲をする人ではない。
『うえーん』
本当に泣き声のようなものが聞こえた。
ー1000円/これオフコラボでよくね?
ーおま天才か?
ーこれ賛成
ーもうそれしかない
ーネスイよろしく!
「よし、オフコラボでやりますか」
即断即決だ。
多少はHESKALも容認してるし大丈夫だろ。
否認しそうなのは横の奴と、もしかしたらひなか。
まあ無理やり連れてくるか。
『ほ、ほ、ほ、本当にやるの?』
「おん。もちろんだぜ」
『くそがああああああ』
そして大声を出して俺に飛びかかってきた。
「ちょいちょいちょい」
ー何してんのこいつら
ーてえてえ
ーおいそこいちゃつくなー
ーネスイは案外何とも思ってなさそう
ーそれはそうなんだろうなw
さて、波乱の予感しかしなかったオフコラボだが、こっからのゲームでボコボコにしてやろうか。
そうネスイは思った。
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