第42話 緊急なコラボ
「あ、えっと。初めまして」
ー敬語w
ーこれは終わった
ーいっそ今からコラボルート期待
「コラボは流石にきつない?」
俺はそう視聴者に投げ返すと、
ー光マナ/やる?
そう言って、通話アプリから彼女の連絡が届いた。
《やろう》
その一言だけ。
いわばHESKALのエースとご対面というわけだ。
「えっと、今から緊急で」
ーおwww
ーきたあああ
ー予想を裏切らない
ーちゃんとやってくれるか
ーこの二人の掛け楽しみ
とりあえず彼女から送られてきた絵を配信画面に張る。
緊急ということもあり、動くことはない。
「では、改めて緊急ゲストです!!」
『どうも!皆さん!HESKAL1期生エースの光マナです!いええええい』
というわけで、急遽光マナさんとのコラボが決まったのであった。
「えっと、せっかくならいくつか光マナさんに質問を投げても良いですか?」
『どぞどぞ』
「まず自分がHESKALメンバーからどのように見られているかなんですが」
HESKALは結構な数のvがいる。
だからこそ絡みのない人の印象が気になってしまう。
『んーとね。皆コラボしたがってたよ』
ーえ?
ーすげええ
ーまじか
ーコラボしたがるとか相当
ーしばらく安泰だな
『ゲームうまいし、進行上手だから新規だけどすごく注目してる』
結構うれしい。
しかもエースに言われると余計にだ。
最近はゲーム配信しかしていないということもあり、コラボ頻度が減っていた。
HESKAL杯が終わり、落ち着き始めたら他の方ともコラボしてみたいな。
「まじか。うれしいですね。でもなんでこんなに見てるんですか?」
正直他の配信者でもやっていることは同じだ。
どちらも同じゲーム配信をしているならばもっとゲームの話をするだろう。
俺は雑談メインで裏でただ流しているだけのイメージが強い。
『異次元だからだよ。色々と』
ー言われちゃった
ーマナに言われるともう終わり
ー異次元なんだよなあ
ーおかしい
ー新参者のはずなのにな
「そ、そうなんですか?俺は普通にやってますが」
氷さんとコラボしているときは見捨てられる恐怖があり少し覚醒していたが
他は平常心だ。
だから異次元と言われてもあまりピンとこなかった。
『まあ、ネスイなりのやり方で頑張れ』
「それもそうですかね」
結局は自分のやり方がいいのだろう。
自分のやり方なら進行なども自己流で決められるし、事故ってもなんとかできる。
それに新鮮味があっていいのだろう。
『あ。今度正式になんか一緒にしようよ』
ーコラボ!?
ーコラボ打診
ーまじか!
ー見たい
ーこれはするしかない。
「え」
少し反応が遅れたし固まった。
まさか一期生でエースの方とやるとは思わない。
現に俺はゲーム主体なので雑談などを主体とする人とやるのが怖い。
「な、何をするんですか?」
思わず動揺したら、
マナは爆笑しながら
「流行りのゲームなんかすればいいでしょ」
ツボに入っていたのか笑いは止まっていなかった。
俺は不思議に思いつつ、マネージャーに連絡を入れた。
《マナさんとのコラボ打診何すればいいですか?》
《流行りのVRMMOで良いんじゃないですか?》
すぐに帰ってきた。
どうやら彼女はVRMMO系の配信をすることが多い。
素材を回収したり、オープンワールドで冒険するのが好きらしい。
じゃあこれをやるのが一番というわけか。
「では、VRMMOとか」
『まじ!!!!やったあ』
ーナイス
ーやはりマナはMMO
ー冒険好きだもんなあ
ー絶対面白い
ーネスイのプレイスキル楽しみ過ぎる
『じゃあ、他の人もしゃべりたいかもだしこれで。頑張って!』
「はい!頑張ります!!」
そうしてマナさんとのコラボは終わった。
「ふうう……疲れた」
ー2分くらいなのにすごいな
ー迫力えぐい
ー流石エース、趣旨もわかりやすい
ーコラボ楽しみにしとく
ー期待しとこ
「とりあえず質問を返そうかな」
そう思って質問を探していたら、急にコメントの流れが速くなった。
ー!?
ー1期生また来たwww
ーアクリスやん
ーアクちゃんwww
ーなにしてんのよwww
そうやらアクリスという人が来ているらしい。
コメントをたどってみると原因があった。
ーアクリス/私とも喋ろうよ
「えっと、アクリスさん?でいいのかな」
ほぼ無知の俺はとりあえずネットでアクリスと入れた。
すると大体のことが分かった。
アクリス
HESKAL1期生
雑談メインで配信行うVTuber
よくコラボをして主導権をにぎる。
圧倒的個性
なんかえげつない人物であるということは分かった。
1期生で人気ということもあり、当然登録者数は300万人。
単純に怖すぎた。
「なんか、しゃべりますか?」
ーネスイ困惑
ーだろうな
ーもう彼はついていけない
ーHESKAL珍しく皆生きてる
ー配信結構見てるんだな
しばらくすると、通話アプリでしゃべろうと来たので急いで用意をする。
と言っても光マナさんと一緒で絵を変えるだけだ。
「はい。えっと、2人目のコラボです。なんでえ?」
『今日も楽しい夜がやってきたぜ!HESKAL1期生のアクリスだ!』
ー安定
ー平常運転か
ーネスイ大丈夫か?
ーやばいって
ーナニコレ
俺は困惑しつつ、またこの緊急コラボ配信に切り替えた。
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