第2話 もしも
彼女の視線は感じていた。
少し眠そうだけど。
切れ長で悩ましいと思っていた。
ずっと気にかかっていたけど。
声をかける事はできなかった。
だから。
あの、雨の日。
校舎の下駄箱で。
佇む君を見つけて。
僕が声をかけた時。
振り返り。
微笑んでくれた。
君の潤んだ瞳が。
奇麗だと思ったから。
僕は。
好きになったのでした。
もしも。
あの雨の日が無かったら。
君は。
誰に嫁いでいたのでしょうか。
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