平凡な片想い

進藤　進

イメージイラストを描きました。

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午後の授業が終わり、帰り支度をする教室に。

彼は帰ってきた。

トレーニングウエアの姿で。

幾分疲れた顔には満足そうな笑みが浮かんでいた。

汗の匂いが。

微かだけど。

私の鼻腔をくすぐった。

「みんな、注目ぅ・・・」

担任の先生が大きな声を出した。

「今日の駅伝大会で我が校は優勝しました。

彼は第一走者で、区間二位で貢献したのです、拍手ぅ～！」

教室中に響く乾いた音。

私も夢中になって手を叩いていた。

だって。

大好きな彼が。

頑張ったのだから。

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