第11話

あれから、当然元の世界に帰る方法は見つからずにいる。


「先輩、もう仕事十分なれましたね」


「そ、そうですね」


今だにこの後輩?にはどう態度を取ればいいか分からない。


「そういえば、お子さん腹の中に居るみたいですね」


「そう見たい。一応、本人は俺の子どもだって言ってるけど」


「そうなんですかね、本当に?」


「俺も分からない。」


「・・・先輩、私となら子ども欲しくないですか」


「ぷぅー、一応、一応、子どもできる予定の既婚者だから」


思わず吹いたわ


「残念です。さっさと別れてくださいよ」


「もう、前提みたいな言い方だね」


「はい!!私はいつか先輩と結婚出来て幸せになれると信じてます。」


凄い元気に、言われるけど



「それ、未来の俺に言って欲しいな。」


「あなたでも、全然良いですよ。同じ先輩ですし、むしろ、あなたほうが新品ですし」


「言い方」


そうして、俺は会社の先輩の誘惑に耐えながらこの生活に慣れつつある。

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