第32話別れの体験

孝と雷子で和美の遺品整理に行った。

公団住宅の階段は上がりにくく、ノルディックを手摺に引っ掛けて上がらないと危なくて仕方がない!

 特に冬間近の晩秋は寒くて麻痺の左足が膝から曲がりにくい。

寒さで膝が硬化してすんなりと上がりにくいから危険この上無い!

「お義母さんたらこんなもの置いてるのね。」遺品整理だというのに一つ一つ荷物を引っ張り出しては想い出に耽る。

 孝も然り、アルバムを開いては被写体を想う。中々事が進まない。

家電の内、エアコンテレビ、冷蔵庫、洗濯機は、直ぐ片付いた。

 家具も遺品買取りに回して、後は衣料、身の回り品まで辿り着いたら遅々として進まない。

そこで、バツイチの別れの体験を思い出していた・・・。

 別れの朝、午前5時半・・・。

夏らし

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