第29話レビンカロナールと高橋直美

小うるさい女だと、しかめっ面を作り両手を拡げ肩まで上げた。

 思わぬ方向から話し始めたレビン・カロナールから須崎八代と出逢った時の思いがけない逸話が飛び出してくるとは思わなかったので、少々答えに戸惑いがあった・・・。

「日本の好きな歌が舟唄(funauta)なんだ。良い歌だよ八代の歌は・・・。」染々語るレビン・カロナールの言葉を遮る様に「八代違いじゃながですか?」レビンにそう言い鼻頭をツン!と、上に向けてそっぽを向いた須崎八代(すざきやしろ)は高知県須崎市出身の茗荷農園を営んでいる両親を尻目に神戸市に渡った。

 兵庫医科大学中央医療センターの中では中々の接遇で評判も良かった。

「ケシの花はヤバイから取り扱いは禁止よ八代?」高橋直美師長の言葉は絶対だったから素直に聴いていたが、まさか私がブラジルマフィアの一員になるなんて・・・。

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