第四話 突然の賊
日が沈むと
また、
人をなんだと思っているのだろうか。
少しばかり
そう考えているうちに某の意識は落ちていった。
――数刻経った頃。
「お、起きてください‼ 大変です‼」
目を覚まして声がする方を見ると最初に出会った黒衣の僧侶が喋っていた。
とりあえず眠いのでもう一回寝よう。
それから
「おい、
「なんですか
小部屋には某と義平しかいなかったはず。
だが周囲には頭や腹部から赤い液体を滴らせてる僧侶が数人いた。
「義平公! なんで命の恩人を傷つけているのだ⁉」
「我ではない
義平に食ってかかると一瞬されてしまった。
「では誰が、まさか
「仮に平家が
その言葉に某は口をへの字にして
くわえて七四三年に
…………利得………この石山寺には何がある?
「あっ! まさか賊が来たのは⁉」
目の前の相手を見ていう。
某の発言に義平はハッとした顔をする。
「もしや我がいることがバレたのか! こうしちゃおれん!」
義平は側に置いていた刀を手に取る。
きっと賊は義平を狙ってきたに違いない。彼には多額の懸賞金が懸けられているのだから。
「ど、どこへ行くのですか!」
「決まっておろう! 我のせいで起きた事だ。この手で片付けるまでよ!」
小部屋を取り出す義平。
まっ、某は隙をみて脱出でもするとしようか。
「戦ってくれるのですね! これをどうぞ!」
某も部屋から出て行こうとすると黒衣の僧侶に話しかけられて鞘に収まった刀を渡された。
「えっ⁉ いや、か、刀は受け取れないけど…」
しどろもどろに答えてしまう。
「こ、この刀では不満と⁉ これでも一応、私の祖父の代から伝わる秘蔵の刀です。この石山寺を守ってくれるなら差し上げます」
「えぇ、ちょ、ちょっと!」
胸に刀を押し付けられたので思わず両の手で受け取ってしまった。
これはまずい、こんな形で
本来なら平安京の市場で売っぱらってしばらく遊んで暮らしていたいのだが。
いきなり逃亡するのは申し訳ないので少しだけ、本当に少しだけ戦いの場に出向いて様子を見ようかな。
「わ、分かった! 某が見せてやろう!
「「「おお~‼」」」
某の強がりに部屋にいる僧侶達を感嘆する。
さてはて、どうなることやら。
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