第16話 魔法の威力がおかしい
僕とリーネは川原に来ていた。なんのためかというと、新しく覚えた魔法の確認だ。ぶっつけ本番で使う訳にもいかないので効果は試しておきたい。
「じゃあいくね。
リーネが川に向かって魔法を放つ。川の上に冷気が広がり空気中の水分をも凍てつかせる。しかもその範囲はとてつもなく広く、掘っ建て小屋なら4軒くらい入りそうだ。冷気も凄くこっちにまで冷気が来ていて、ちと寒いくらいだ。
そしてピシピシ、と川の水が凍りついていく。流れが緩やかとはいえ、流れる川が凍るなんて相当ではないだろうか?
冬の寒い時でもこうはならないと思う。
「これホントに初級魔法…?」
「全力でやってみたけど凄いねこれ!」
「川が凍りつくっておかしいでしょ……。戻さないと」
この川は大事な生活用水でもある。正直凍りつくなんて思わなかったんだけど。早く戻さないと川の水が溢れて大変なことになる。
「じゃあ
凍りついた川から広範囲に渡り炎が立ち昇る。
「えええええええ!?」
いつもの
リーネの目が点になってるわ。
それでも川の氷は溶けきっていない。
「
僕も全力の
どっぱーーーーーん!
大量の水が溢れ、川が一気に増水した。それでも氷は残っている。ならば拡大解釈!
水は水でも沸騰寸前の熱いお湯にしてしまえ!
「
熱湯をかけ、しばらくするとようやく普通に川が流れるようになった。それにしても魔法の効果が上がっている気がする。というより威力がおかしい。
それとこの熱湯魔法使えるかもしれない。練習して量や吹き出す威力などを調整できるようにしよう。
「リーネ、
「うん。
そうやって生み出した氷のサイズは前にオーガを押し潰した時とほぼ同じサイズだった。
「向こうの岩にぶつけてみよう」
対岸にちょうどこの氷塊と同じくらいの岩があったのでそれを狙うよう指示する。
「わかった。シュート!」
まるで矢のような速さで岩にぶつかると、岩も氷塊も轟音を立てて砕け、破片が周りに飛び散る。そこにあった岩は無惨にもバラバラに四散していた。なんじゃこの威力は!
「この魔法だけでオーガ倒せそうだね…」
「僕もそう思う…」
その破壊力に呆然としてしまう。このままだとデカすぎて使いにくいかもしれない。これじゃ
それから僕たちは使いやすいサイズや量、範囲を色々試した。おかげで大分扱いに慣れてきたようだ。
しかしなんで急にこんな魔法の威力が上がっているのだろうか。資質を強化ブーストしてから大分経ってるはずなのに…。
「明日魔法の資質を鑑定し直してもらおう。もしかしたら変化してるのかも」
「うん、そうだね」
資質は条件次第で変化することがある。レアなケースだけど、ずっと同じ系統の魔法を使い続けたり、精霊と契約したり
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