第14話 収納魔法を覚えよう(前編)
「収納魔法は僕が取ってくるね」
「じゃ、私は攻撃見てくる」
それぞれ欲しい魔法を探しに本棚へと向かう。まず収納魔法は特殊系に属するため、そこを探す。結構挑戦する人が多いため、この本は5冊も置いてあった。そこから1冊抜き取り、他に何かないか物色する。特殊系はかなり毛色の変わった魔法が多くあり、必要な資質もそれぞれ違う。
「水系特殊魔法、
水は大事だ。今は駆け出しだから遠出することはないけど、いずれ必要になる。というか必需魔法だ。
「うん、これにしよう。何か面白い使い方もあるかもしれないし。必要魔力も80なら問題ない」
例えば
僕は水と無属性に比較的高い資質があるらしいのでちょうどいいだろう。
僕は早々に決定し、契約の受け付け近くで待つことにした。待つことしばし。リーネが戻ってくる。
「見てこれ、
「うん、いいと思う。色々応用が効きそう」
偉い魔術士は言いました。
初級魔法を使いこなしてこそ1人前と。駆け出しの頃は魔力も少ないから覚えられる魔法も少ない。魔法は道具。使いこなしてこそ1人前なのだ。
僕の
「よし、じゃあこれに決めた。早速覚えよう!」
「じゃあリーネから行こう」
「うん」
僕は収納魔導書をリーネに渡す。
リーネはちょっと緊張しながら契約の受け付けへ行き、証書と2冊の本を提示した。
「はい、
受け付けの職員が立ち上がり、契約の間へと案内する。
契約の間には契約のための魔法陣があり、ここで魔導書
の契約の文言を読み上げて契約するのだ。ただし、資質が足りないと失敗することもある。そうなるとまた違う本を探さないといけない。
リーネが2冊の魔導書を持って魔法陣を見つめる。
僕は小声で強化を3回重ねがけした。これで資質は爆上がりするはず。
リーネが僕を見る。僕が頷くと、スタスタと魔法陣の中に入り、中央に立つ。
「我が名はリーネ。我はこの魔法を求めるものなり。悠久の知恵よ、その恵みを持ちて我のための小さな世界を与えよ。その世界は倉庫となり、宝の眠る場所とならん!」
リーネが魔導書の契約の一説を読み上げると、眩い光がリーネを包んだ。これは成功したときに起こる現象だ。ここからさらに色が変わり、その色で魔法との親和性が示される。
リーネの示した色は金色だ!
これはかなり強いAランクの親和性を示している。
「素晴らしいわね。収納魔法の親和性がAランクなんて国に1人いるかいないかよ!」
職員のおばちゃんもかなり驚いて拍手までしている。驚きのあまり汗かいてません?
ていうか、国に1人いるかいないかのレベルか。リーネは天才かもしんない。親和性が高いほど収納量が上がるんだけど、どのくらいの収納量になるんだろうか。
僕も負けていられないなぁ。
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