糖尿病罹患記(^ω^)To sonoあと?

妖怪老人びーる男

第1話 待合室(いつからいたの?)

 その日、シゲルはある病院の待合室に家族と一緒に来ていた。妻あつこと小学校に入ったばかりのみゆき、そして幼稚園年中ぐみさんのヒロシである。

あつこは落ち着いたもので、”困ったもんだ”みたいな顔しているけど、子供たちは、はじめて来た大きな病院の中をキョロキョロと見まわしながら、いつもと違う雰囲気を少し感じているのか、母親のそばでおとなしくしていて離れようとはしない。


 ほぼ一ケ月前、シゲルは会社の同僚ら数人と年一回の定期健診に訪れ、和気あいあいと「太ったなぁ!」とか「視力がヤバイ・・・」とか、血圧の数値が高い・・などとしゃべりあっていたものの、少しだけ気がかりなところがあった。

 その後、数日して受診した病院から検査結果の詳細が、正式な健康診断書として勤めている会社に送付されてきた。

診断書には、いつもと変わらずいろいろな専門的数値が結果として記され診察項目ごとに A,B・・Eとランク分けで評価されていた。そして、最後に担当した医者の所見が詳しく記され、今後の生活へのアドバイスなどが述べられていた。


 「あなたの数値の一部は、非常に危険なレベルに達しておりますので、即入院の手続きを検討されてください。期間は約1ケ月程度となり、担当されている業務及び会社やご家庭の都合がつき次第、早めの対応をお願いいたします。・・・・」

 シゲルは40歳になったばかり、やや遅めの結婚だったので子供たちとの生活がまさに楽しくなっている時期で、また会社での立場も中間管理職になって重要な仕事が増えつつあったので、入院せねばならない事態となり困り果ててしまった。








 

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