校内三大美女のヒモしてます
暁貴々
WEB版 (※書籍版は↓に移動)
馴れ初め編
プロローグ 校内三大美女
ぎしぎしと、ベッドの軋む音が部屋に響く。
一糸纏わぬ美少女たちと肌を重ね合わせながら、その筆舌に尽くしがたい熱を一心不乱に享受する。
「ごめん、もう……げんかい!!」
僕が果てると、三人の女の子たちが息を切らせながら、「頑張ったね」とか、「ちょっとは男らしくなってきたじゃん」とか、「かわいい」とか、口々に褒めてくれた。
制服と下着はベッドや床のあちこちに脱ぎ散らかされたままで、シーツは汗と体液でしとと濡れている。
見目麗しい
もちろん家族と過ごす時間も幸せを感じられるけど、それとこれとはまた別で。
人生における幸せのピークは今が最高地点なんじゃないかと、そんな益体もないことを考えてしまうぐらい、僕は幸せを噛み締めていた。
てかこれって……もはや、ヒモなのでは?
などと、あながち間違いでもない考察を巡らせながら、僕の意識は遠のいていき――。
※
一ヶ月前。
僕は、
バイトといってもみんなに甘やかされるだけの簡単なお仕事。いや、簡単というよりは『幸せ』と言い換えた方が正確かもしれない。
むしろ、男である僕の方がお金を支払わなければいけないのでは、と心配になるくらいの――そういう類いの、バイトである。
なにせ相手はあの『校内三大美女』だ。
いずれも入学初日から全校生徒の視線をかっさらい、瞬く間に学園中の話題の人物となった、まさしくスーパーヒロインである。
それだけには留まらず、他校の生徒に至ってはまるでアイドルの出待ちのようなノリで正門前に待機しているのだから、そのエキサイトぶりは推して知るべしだろう。
そんな女神たちの『特別』になった僕こと、
みんなは『ただそこにいてくれるだけでいい』って言ってくれるけど、正直なところ、本当にそれだけでいいのだろうか?
わからない。
だけど、今はただ、この幸せを噛み締めたいとも思っている。
さて、ここでおさらいとして。
京坂京という人生ハードモードなモブ男子高校生が、なぜ一挙手一投足さえ高嶺の花と言わしめるような女の子たちと、このような関係になっているのか。
その経緯を振り返ってみるとしよう。
ことの発端は約一月前の出来事に起因する――。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます