1月25日 Side涼23
気づくと凪沙にキスをしていた。
凪沙が私との関係を続けていきたいと思っていることが知れて嬉しかったのと、今凪沙の手首と私の手首にはお揃いのブレスレットが付けられていることが、体の内側からドキドキとさせられる。
熱くなっていく頭が思考をぼんやりとさせて、目の前にいる凪沙の唇に自分のを押し付けていた。
理由もわかって仲直りもできたし、2人きりでこんなに近くにいるのだからしないほうがおかしいでしょ。
凪沙の唇は柔らかくて気持ちがいいし、ちょっと遠慮がちな動きが可愛すぎる。それにいつもとは違うラフな部屋着がグッとくる。大きめなシャツに夏になったらショートパンツを履いてほしい。絶対襲います。
「んっ……ちょ、ちょっと待って……涼……ちゃん」
「んぐっ……」
熱くなっていた頭を冷ますかのように凪沙が私の口に手を当てキスを止められてしまう。
今めっちゃ良い雰囲気じゃん、なんで止めるの?
「涼ちゃん……この手は何かな?」
「て?」
私の手はいつの間にか凪沙のシャツに入り込み直に凪沙のお腹を触っていた。
すごく手触りが良いな。凪沙の肌気持ちがいい。普段自分の以外のお腹なんて触る機会がないからこんなにも手のひら全体で他の人の肌の感触を楽しむことなんてなかった。
「んっ…ぁ…」
「え?」
なんか、なんか、すごくエッチな声聞こえた!!
「りょう…ちゃん……なんで徐々に手が……」
私の手はいつの間にか上を目指していた。もう少しで凪沙の膨らみに手が届きそうで、指先にブラジャーの感触がある。シャツは捲られて凪沙のお腹は見えていて綺麗な白い肌が視界に入る。
「いいでしょ?」
凪沙だって以前お泊まり会を了承してくれたってことは、そういうつもりあったってことだよね?なら、何も問題ないはず。嫌だったらもう振り払われてもおかしくはないし、何より凪沙の瞳が揺れて私を誘っているようだ。
「あ、あの……りょう……ちゃ…んっぁ」
「凪沙」
凪沙に何度も口付けを落としていく、首筋に舌を這わすとピクッと震えた。私の肩に置いていた手が服を掴んでいる。
ゆっくりと手を動かして凪沙の膨らみを触ると思った以上に大きくて柔らかい。全然違う、私にも一応あるはずなのに大きさも柔らかさも違って凪沙のだと思うだけで体の奥からゾクゾクとした何かが這い上がってくる。
「まっ、まっ……て……はぁ…」
時折漏れる凪沙の甘い声がより頭を沸騰させていく。
ブラジャー越しなのがもどかしくて、凪沙の背中に手を回した。
キスをしながら背中に回した手でブラジャーのホックを外すと、凪沙が驚いたように目が大きく開いた。
「んっ!!んんっ!」
凪沙の熱い舌に触れるといやらしく水音が鳴った。
肩を掴んでいた手が私の肩を優しく叩いてくる。
「涼、ちゃん……んっ、まって……」
凪沙を床に優しく押し倒すと、肩を手で押されて上から凪沙を見下ろした。
はだけたシャツから凪沙の双丘がチラリと見えている。
横腹から手を這わせてると凪沙が小さく私の名前を呼んだ。
茶色い瞳が潤んで光っている。
可愛い。綺麗。
私の肩を押している凪沙の手首に私があげたブレスレットが揺れている。
こんな姿私以外誰も見たことないんだよね?この先も誰にも見せることはないし、私だけの凪沙ってことだよね?
這わせていた手が凪沙の胸に届こうという時に凪沙がまた私の名前を呼んだ。
「待って涼ちゃ――」
「なぎさークッキーあるから2人で食べなー」
「っ!?!?」
「あっ!!」
凪沙の部屋の扉が開いて、初めて見る女性が立っていた。
茶色い瞳と柔らかな髪、凪沙が幾分か歳を重ねたような女性はニコリと微笑んだ。笑い方まで凪沙に似ている。
バクバクと心臓が音を立てていて、額には冷や汗が流れる。声が聞こえた瞬間凪沙が起き上がってシャツを直していたし、私もすぐに正座したからバレてはいないと思うけれど……
「ありがとうお母さん」
「その子が涼ちゃん?」
凪沙がクッキーが盛られた器を受け取ると凪沙のお母さんが覗き込んで来た。
「は、初めまして、悠木涼って言います。凪沙さんとは仲良くさせてもらっています――」
「凪沙と仲良くしてくれてありがとね。たまに話に出てくるからどんな子なのかなって気になってたの。今日は部活帰り?」
「はい。バスケ部で、今日は部活終わってそのまま来ました」
「バスケ部!かっこいいねぇ!だから身長高いんだ!?」
「そ、そんなには高くないです……」
「お母さん!!もういいでしょ?」
凪沙が母親の背中を押して追い出していく。
「はいはい。じゃあ、ゆっくりしていってね涼ちゃん」
「はい……」
パタンと扉が閉まると凪沙がふぅと息を吐いた。
「あ、あの――お母さんいたんだね」
凪沙の家に来てそのまま凪沙の部屋に案内されたから家に凪沙以外の人がいるなんて気づかなかった。
「う、うん。今日は珍しく仕事が休みだったみたいで、いつもは仕事人間だからあまり家にいることも少ないんだけど……」
凪沙が苦笑しながらローテーブルにクッキーを置いた。
そのままシャツに手を入れて背中に回している。パチっと音がなった。
「ご、ごめん」
「ううん。ちゃんと止めなかった私も悪いし、それにバレてないから大丈夫だよ」
まさか自分が親フラをするなんて思わなかった。この緊張感は試合でも味わうことがないな。
「クッキー食べようか」
凪沙が私の隣にピタリと座ってクッキーの包装を開けた。
私はいつになったら凪沙とできるんだろうか……
自分のタイミングの悪さに嘆きながら、凪沙が口元に持ってきてくれたクッキーを口を開けて出迎えた。
※いつも読んでいただきありがとうございます。
新しく作品の投稿を始めました。
【魔王討伐して帰ってきたら魔王の娘が許嫁になっていた】
ガールズラブコメディになります。
気になる方はこちらもよろしくお願いいたします。
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