砲の魔導士
TUREーZURE
第1話 砲、始動
「見せてやるよ。俺のとっておき!」
時は少し前、ここグロザレア魔導校では高等部の2年生による魔導大会が行われようとしていた。学校の広場には参加する生徒でごった返す中、4人の男女が集まった。
「これで全員か...」
すらりとした男が呟いた。
「ええと...全員そろったなら自己紹介とかしませんか?」
「なら貴女からどうぞ。」
「ええっ!」
半ば強引に押し付けられ、言いだしっぺの女は自己紹介をした。
「あ...わ、私、シャヤっていいます。回復魔法が使えます...一応ですけど...」
「じゃあ次は私が。名前はナール。使うのは闇魔法。
「俺はエドル。氷魔法使いだ。」
「お...俺はソウガ。よろしくな。」
シャヤに続き、全員が自己紹介を終えた。
「おい、ちょっと待て」
すらりとした男、エドルが思わず突っ込んだ。
「お前、ソウガとか言ったな。魔法は何がつかえるんだ?」
そう言われるとソウガはバツの悪そうな顔をしながら言った。
「ええと…魔力の放出?」
それを聞いた3人はあきれたような顔をしながら、
「はぁ?」
とだけ言った。それもそのはず、魔法とはそもそも魔力を放出することで初めて魔法になるのである。そのため、ソウガの説明は他の3人にもできることであり、何の魔法を使えるのかということにはならないのである。
「しゃーないだろ、そうとしか言いようないんだから。」
「あのなぁ、魔法ってのはだな「そんなことよりほら、そろそろ始まるみたいよ。」
ソウガとエドルが言い争いしそうになってるところを止めるかのようにナールが指差した先には指揮台の上に集まった教師陣がいた。全生徒が注目する。
―これより魔導大会を開催する―
「ゥゥゥゥウウオオォォォォ!!!!」
大柄な男性教師の開会宣言で広場の興奮のボルテージは最高潮に達した。
「ルールは単純。他のチームを蹴散らせ!そして生き残れ!」
簡潔にルールが説明される。早く始めろと言わんばかりに広場は沸き立っている。
「それでは転送魔法で貴様らを
そう言い放つと男性教師の隣いた老婆教師は両手を祈るように握った。すると、生徒たちはそれぞれが蒼白い光に包まれた。
「なんだこれ!すっげぇ!」
「はぁ...先行きが不安すぎる...」
興奮しているソウガと対照的にエドルはとても不安そうだ。
「心配すんなって!向こうで見せてやるよ。俺のとっておき!」
ソウガはエドルにグッと親指を立てて見せた。
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