第10話 歓迎会

 みさの主催、幹事の歓迎会。あまりお酒得意ではないんだが…


部長が、


【いやー、久々の飲み会…失敬、歓迎会なので、無礼講でいきますよ。カンパーイ!】


 飲み会になってますね、部長。そういうの楽でいいのですが、歓迎会って名目はどこへ?


【はると、今日はみさの隣にセッティングしてあるよ。楽しみでしょ?ね、そうでしょ?】


これは…ちょっと困るな…りなに詳しく聞く。


【あのさ、何で隣なの?りな、気にならないの?】


【気になるよ、すっごくね。でも、みさは、はるとの指導担当だからさ。コミュとってもらったほうがいい】


うん…そうだね。それが理由か。緊張するけど。


【解った。気楽に話せるようにならないとね】


戻ると、既にみんな、ハチャメチャに飲んでるね。


【はるとー、こっち!】


みさ、お酒かなり飲んだね。大丈夫か?


【はると、みさに呼ばれてるよ。ほら行って!】


りなに押されて、みさの隣に…


【はるとさん、いいポジションキープしたね】


うげ!!!またこいつ、横かよ。りな大好き男。


みさが、


【はるとー、りなのどこが好きなの?可愛いから?一途だから?幼なじみだから?なにがキッカケで付き合うことになったの?】


【りなの何処が好きか、解らない。はっきり解ることはキッカケはこいつ!りなの家まできたんだ。それも、こそこそと】


【はるとさん、だから、違いますって。もう勘弁してくださいよ】


そんなやり取り、みさは、聞き流がして…


【じゃあさ、じゃあさ、もうキスした?それから…いろいろと…ふふっ!教えて、教えて!】


みさ、落ち着け!こんな性格だったの?


【キスって、軽くね。それ以上はない】 


【なーんだ、つまんなーい!】


みさは、ひっくり返り、寝ながら酒飲んてる。


【みさ、起きて飲まないと、こぼす…よって、もうこぼしてるじゃん】


ハンドタオル持ってたな。これで、


【みさ、起きて、ほら拭いて、服にこぼしたじゃん】


 なんか意外…みさの新たな一面を見たな。そういうの含めて可愛いけど。


【はるとってさー、優しいよね。そういうの勘違いさせちゃうよ。りなもそういうとこ好きなのかな】


【りなとは、幼なじみだからね。昔から知ってるし、ほぼ人生一緒にいたからね】


みさ、酔うと変わるね。


【おっ、はるとくん、飲んでるね】


【部長、今日はありがとうございます】


【便乗してみんなマイペースに飲んでるんだけどね。なかなかね、小さなチームだけど、人間関係あるんだよ。非社交的っていうかね、そういう人達も少なからず…いずれ解るからね。入社したばかりじゃ解らないよね】


【部長、入社って言われますが、出向ですよ。いずれは戻るので…】


【うん…そのことだけど、うちに正式に来ない?】


【それは、課長に確認しないと】


【確認してあるよ。🆗!って。売上一気に伸びてるんだから当然、課長ならそういうの考えるよね】


 軽…軽すぎだぞ、課長。何か俺そんなに貢献して無かったのかな?何か寂しいぞ。


【課長、俺に何も相談なく…】


【いや、課長から正式に話があるまではもちろん、はるとくんの意思を尊重する。もし課長が無理言ってきたら私に言ってほしい。こればかりは強制出来ないからね。さぁ、飲もう!君にはいい方向に向かうことは約束するよ】


【ありがとうございます】


 これからどうするかな。完全にこっちに来るとなると、手続きもいろいろある。ところで、みさは?


 みさ、寝、寝てる?不用心過ぎる…スーツだぞ。スカートだそ!いいのか?こんなんで…


 座布団があるな。とりあえず、これで。何も無いよりマシだろ。


【はると〜見ちゃったよ!優しいね。案外、私、ヤキモチ焼きだからね。気をつけてよー。はるとは私と付き合ってるんだからねー、ゲフッ…】


 うわっ、酒くせー、りな。どれほど飲んだんだ?これ、俺の歓迎会だよね?自由奔放な人達…だ。












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