ブルブ
雪吹時雨
1章 新しい生活 魔法編
第1話 新しい生活
「やばい…ねむい…」
そう言って、
別に琉月が寝不足だったとか、ねぼすけだとか、の◯太みたいによく寝るとかそういう訳では無い。
この瞬間、地球の全ての者が寝た。
だが、それによる事故は起こっていない。なぜなら時間が止まっていたからだ。
人々は同じ夢をみた。こんな夢だ。一人のものがずっと喋っている。
☆☆☆
[おーい!みな!見ておるかぁ!全員寝てるはずだから見ておるよな!よし。今日は重大発表がある。それは…地球に魔力が満ちました!!!みなが起きたら『ステータス』と唱えてみよ!自身の使える魔法がわかる。人が住んでいない場所には、獣人、精霊、妖精、魔物…いろんな生物が増えた!ダンジョンも出来た!今日からは楽しい日々になると思うぞ!ステータスをみれば色々わかるじゃろう!では、みなのもの!起きろ!]
☆☆☆
琉月は起きた。
「…今の夢、なんなの?本当のこと?」
琉月はパニクりながら少し考えたが、実際に試したほうが速いことに気がついた。
「『ステータス』」
琉月が唱えると、本当に出てきた。下のようなことが記載されてる、空中に浮いている透明な板のようなものだ。
・・・・・
名前:幸野谷琉月
性別:女
年齢:12歳
適正魔法:精霊召喚魔法
Lv.1
種族:精霊王(精霊女王)
🔛
・・・・・
「えええぇぇぇぇ!!!!!」
琉月は思わず絶叫してしまった。
「私、人間じゃないじゃん!せ、精霊?精霊女王!?」
五分ほどパニクっていたが、しばらくしたら冷静になった。
「このボタン…何?」
「ポチッ」
琉月は好奇心から、種族の下に書いてあるボタンをOFFにしてみた。すると琉月の体に変化が起こった。
「きゃあ!!!」
羽が生えてきて、筋肉ムキムキになり、耳も長く伸びた。精霊女王の姿を隠して人間に見せかけるボタンだったらしい。
「ON、ON、ON、ON!」
すぐに琉月はONにした。
「はぁ…人じゃなくなっちゃったのか…。これからは、魔法もあるし、新しい生活になりそうだなぁ…。」
〈10月20日〉
琉月は学校についた。
「ねぇねぇ!ステータスどうだった?適正魔法とか!」
そう話しかけてくるのは琉月の大親友、
「いやぁ…それがね…」
琉月は小声で、精霊召喚魔法のことと、精霊女王のことを初音に教えた。
「す、すごぉ…!種族の欄があるなんておかしいと思ったんだよねぇ…。あ、私の魔法はね!
自分の魔法を熱く語る初音の声に耳を傾けていた琉月だが、ここである疑問を抱いた。
「初音さ、なんでそんなに詳しく魔法のこと知ってるの?」
「あぁ、それはね!ステータスで自分の魔法が書いてある所をタップすると、詳しい事が…脳?に流れ込んでくるんだよー!」
なるほどと思った琉月は早速ステータスを開き、精霊召喚魔法と書いてあるところを押してみた。
すると、琉月の頭に大量の情報が流れ込んできた。
『Lv.に応じて強い精霊を召喚できる。Lv.1現在で召喚できるのは『火の下位精霊サラマンダー』『水の下位精霊ウンディーネ』『風の下位精霊シルフ』『土の下位精霊ノーム』。
呪文は『精霊召喚。△△(△△は呪文。サラマンダーなら、『炎を操る強き力』など。)××(××は水や火などの種類)の□位(□には上や下が当てはまる。)精霊◯◯よ。出でよ、私の前に姿を現せ。』
Lv.1の今は、召喚した個体は五時間で自動的に帰る。
一回召喚した個体は次に召喚できるまで一週間のクールタイムが必要。
召喚の際に精霊に触れているものは無機物有機物問わず共に召喚される。
召喚時に「透明」と付け加えると、透明の状態での召喚が可能。
一度に召喚できる数には上限があり、Lv.1現在では10体。』
琉月は思わず目を瞑った。一度に知る情報としては多すぎたのだ。
少しすると、情報に脳が追いついて、琉月は自身の魔法を理解した。すると、魔法に現実味が帯びてきたのか、一気に興奮して召喚をしたくなってきた。
「放課後、高寺公園で精霊召喚してみようかな!一緒に来ない?」
「え、行く!!実由も誘っていい?」
「もちろん!召喚できるのは四種類あるんだけど、どれがいい?火の下位精霊サラマンダー、水の下位精霊ウンディーネ、風の下位精霊シルフ、土の下位精霊ノーム!」
「うーんと、土の下位精霊ノームがいいなっ!」
ちょうど近くにいた実由にも放課後のことを話す。
「おっけ!」
実由が元気よく返事をした。
そして琉月と顔を見合わせて、初音の方を向き言った。
「「初音!お誕生日おめでとう!」」
今日は10月20日、初音の誕生日だ。
「ありがとう!琉月、実由!」
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