配信22:心配はない。全部上手くいく
翌日から胡桃の人気は大爆発し、加速していく。
配信部と連携を取りながらも、俺は部活も大きくしていった。
けれど、俺には暴露系配信者・インフルエンサーとしての使命もあった。
俺は校長の盗撮を晒し、全国ニュースにしてみせた。
大問題に発展したこの事件は、一週間以上も世間の話題になり、ついに校長は懲戒、そして逮捕にまで至った。
「……これで学校は平和になった」
諸悪の根源である校長はいなくなった。
あとから分かったことだが、校長は学校の金も横領していた。それを暴こうとすると、配信部を廃部にしようとしてきた。
俺は必死に抵抗した。
根っからの悪である校長に反撃し、配信部の廃部を阻止。校長はあえなく御用となった。
「嫌な事件だったね、猪狩くん」
「そうだな、田村さん」
「でも、もう安心だね」
「ああ、これで気兼ねなく配信部をやれるぞ」
あれから配信部は、どんどん飛躍してチャンネル登録者数は10万人を超えた。女子高生でゲーム配信というのが斬新で受けたようだ。それに、胡桃がいるという最強の組み合わせ。
毎日のように投げ銭で稼げていた。
この分なら、俺の将来のビジョンである配信サイト立ち上げも出来るかも。
◆
「猪狩くーん」
「どうした、牧野さん」
「最近、部活の為にすっごくがんばってくれてるじゃん?」
「お、おう」
「そんな猪狩くんが……」
「え?」
「ううん、なんでもない」
最近、牧野さんは俺によく話しかけてくる。それどころがお昼の弁当を作ってきてくれていた。料理が上手いんだよなぁ。
配信部で食べるお昼は最高だ。
「ねえ、猪狩先輩。あたしとゲームしましょうよ~」
お昼を食べ終えると椎名さんが俺の服を引っ張ってきた。
配信部に入ってから三週間。
慣れてきたせいか、椎名さんとの距離もだいぶ縮まっていた。まるで妹のように接していた。
「そうだな、バトロワでもしよっか。練習にもなるし」
「いいですね! 下手だとコメント欄で叩かれちゃうので」
こうして俺は部活メンバーを支えつつも、田村さん……胡桃の人気をも支えていた。
今日も配信部が終わった。
その帰り、牧野さんと椎名さんと別れ、俺はいつも通り、田村さんと二人きりになった。それが習慣になっていた。
「今日も楽しかったね、猪狩くん」
「胡桃は安定して視聴者数を叩き出せるようになったしな」
「うん、はじめて数週間でお金持ちになっちゃった。これから、どうしようかな」
「配信を続けていけばいいんじゃないか?」
「そうだね。でもどうせなら、猪狩くんの夢を叶えてあげたい」
「俺の夢を?」
「配信会社を作るんでしょ~。手伝ってあげる」
「本当か!」
「わたしは、配信以外あんまり他にやることなくてさ。だったら、猪狩くんの会社を作った方がいいかなって。わたしも手伝わせて欲しいんだ」
なんて嬉しいことを言ってくれる。
どうせ俺は高校を卒業したら、そのまま就職せずに配信者として本格デビューするつもりだった。
ならいっそのこと、配信会社を立ち上げてライバーを増やして大儲けしていくべきだ。俺が経営者になるんだ。
「よろしく頼むよ、田村さん」
「よろしくね、猪狩くん」
握手を交わし、ここに契約は完了した。
俺は田村さんと、それと部活のみんなと共に会社を作る。そして、もっともっと稼いでいく。
みんなを幸せにするんだ……!
今は小さな一歩を踏み出したばかりだけど、心配はない。全部上手くいく。
◆ありがとうございました!
ここまでとさせていただきます。
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一番可愛いクラスメイトのえっちな配信をみつけてしまった 桜井正宗 @hana6hana
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