WEB版と書籍版の違いについて
このエッセイを読んでるといって、当該作品のWEB版、書籍版を読んでるとは限らないので、今回については、両方読んだ人が楽しめる(?)内容でお送りしたいと思っております。
前回の応援メッセージで
夜行性のなまもの様( https://kakuyomu.jp/users/meecyan )から
『WEB版よりもセレさんが兄貴ではなく姐さんに感じたのは私だけ?』
という感想をいただきました。
これは鋭い感想だな、と思って、今回取り上げることにしました。
意図してそうなるようにしているワケじゃないです。
書籍化にあたり改稿した結果、そう感じるようになったのかな、と思われます。
雰囲気の話だし、こっちも本当にそれを意図していたわけじゃないので、「ここをこうしたから!」と断定は出来ないんですが、
「たぶん、こういう理由じゃないかな?」
と思う所についてを記載していきたいと思います。
先に結論をば。
WEB版から書籍版へと改稿するにあたり、
かなーーーーーーーーーーーーり、文字表現を変えております。
それが原因だと思います。
具体的な例を一つあげると、「サイコパス」という言葉を直しました。
ネットの世界では比較的メジャーである「サイコ」「サイコパス」という表現。
これ、学術的意味合いと、世間一般で使われているイメージに乖離があります。
一応、ネット上で論文等を読んで、学術的な意味合いに寄せたつもりではあったんですが、そこは所詮、素人。
それに、その言葉を使う事によって、更に読み手の学術的意味からの乖離を招く可能性もある──。
つか。
雑に言うと「ネットスラング的に扱われている語句を、書籍内ではあまり使うべきではない」という校正さんからの指摘があったんですよ。
だから、ネットスラング的なモノを全部修正してあるんです。
それだけじゃなく。
差別的表現なども、文の意味を変えずに違う言葉に変えたりしています。
例えば『出戻る』。
作中、主人公が自分の状況を説明する時に使っている言葉ですが、コレ、離婚した女性に対しての差別的用語なんですよね。離婚した男性には『出戻り』とは使わないでしょ? つまり、そういう事。
こういうのも、直しています。
書籍の中は、WEBとは違うんですよね。
当たり前だけど、忘れがち。
確かに、WEB小説に親和性がある人間は、書籍への親和性もあったりするんですが──
逆ってあんまりないのかもしれない。
これは、私の予想ですが。
WEBでよく使われている言葉や認識でも、半歩そこからズレただけで、全く認識されない、認識内容が違う、という事が多いんですよね。
マジ忘れがち。
ネットスラングっていうのは、古くは某掲示板とかそういう半アングラネット世界から、ネット世界に広まっていった言葉です。
そういう言葉は沢山あります。
実は私も、つい先日いただいた応援メッセージで、意味の分からない言葉にぶち当たり、もしかして誤記かな? と思いつつネットで検索してもたら、某掲示板? 由来の言葉で、ネットスラングだった、という事を体験したばかりでした。
そういう、知らず知らずのうちにWEB由来の認識等の言葉について、「一般感覚とはちょっと違う」という言葉についてを、ニュースでも使われるぐらいメジャーなものは除き修正しました。
そうすると、どうなるか、ですが。
表現が自然とマイルドに感じられるようになるんですよ。
WEBの世界って、かなり鋭利というか、言葉でしか表現されない世界なので、感情が先鋭化しやすい。侮蔑を込めた意味を含む言葉が多いんです。
そういうのって、「男性的」だと感じるものが多いんですよ。
そしてそれを、マイルドに書き換えると、「女性的」に感じるようになる。
これは、当該作品の中で繰り返し取り上げているモチーフの一つでもあるんですが。
直接的なキツイ表現は男性的
婉曲的なマイルドな表現が女性的
そう感じる「感覚」って、よくよく考えると理由が不思議で。
実生活に基づいてそう感じるんだろうな、とは思うけれど、じゃあなんでそう感じるのかっていう部分についてを、当該作品で繰り返し取り上げていますね。根幹に流れるテーマの一つではあるんですが。
それをまさに、体現しちゃったワケですよ。
私の作品の、ストーリーとは全く無関係な「文章の表現」という所で。
……それを感じる程、当該作品を読み込まれている、という事実に、嬉しさとともに畏怖を感じる今日この頃。
ハイ、さっさと十章書きます。
当初予定していた「2024年上半期頃連載予定」の自分の告知をぶっちぎりましたからね。もう下半期やで!!!
って事で。
流れで読んでると自然に読めるので、改稿した所ってあんまり分からないようになっているとは思いますが。
(むしろ、気づかれたら切ない。引っ掛かりを感じないように頑張って修正したからな……)
マジでな。
比較するとな。
修正されていない文ってねぇんじゃねぇの? ってぐらい、直してますからね、実態としては……ぐふぅ……
それにより、どんだけ改稿作業が大変だったのかを、察していただけると嬉しいです……
いやマジで、意図や意味を変えずに文章変えるって、脳味噌沸騰するかと思ったからな? 鼻から流れ出るかと思ったわ。
しかも最後の最後、最終校正段階で指摘された箇所に至っては「行数を変えずに」という、超絶難しい条件までついたからな?
一行一ページ、指差し確認しながら文字数や行数を数え、何文字までなら増やせる・減らせるっていうのを考え、超アナログ手法で直してったからな??
ホント大変だった……
ただし。
差別的用語だから、ネットスラングだから、全部そうじゃないものに変えたかというと、そういう事はなく。
例えば、家庭教師が主人公に対して喧嘩を売った時、めっちゃ差別語侮蔑語満載です。でもそれは直していません。だって、侮蔑しようとしてるからね。だから、そういう「意図して使っている部分」については、「このままでOK」としてあります。
そういうのを全部チェックして直す、直さないの確認もやったんだよ……大変だったねぇ……校正さん、本当にありがとうございました。
って事で。
WEB版と書籍版では、全体的に表現がマイルドになっています。
それについては、どっちが良い悪い、優劣があるかって話じゃなくって、WEB版はWEB版の楽しみ方、書籍版は書籍版の楽しみ方ができるっていう風に受け取ってもらえると嬉しいな!!!
(だからWEB版は直さないでそのまんまだよォ)
って事で、今回はWEB版と書籍版の違いについてでした!
今回はここまで!
以上!
それではね!!
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