第2話 小さな嘘、先輩の優しさ
「
部活を辞めた次の日の放課後、
理由なんて答えたくはない。誰かと1対1で話し合うだけで泣きそうになる。
本当のことなんて言えない。嘘をついて誤魔化すしかない。
「ちょっと、中学校の時からやってたのをまたやりたいなって思って。両立したかったんですけど、ちょっと難しくて…。いきなり辞めちゃってすいません」
納得してくれるかなあ。もうひと押し必要?
「うーん、そっかあ。みんなも結構両立してる
けど難しかった?でも、そっか。やりたいことあるんだもんね。時間は有限!やりたいことをやったほうがいいもんね。頑張ってね」
お、なんとか誤魔化せた?
たぶん、信じきってくれたでしょ。
先輩に嘘をつくのは後ろめたかったけれど、先輩と別れた私はきっと大丈夫だと言い聞かせて学校をあとにした。
何も聞こえないように、ヘッドフォンをつけて。
その時の私は、ほんの少しの後ろめたさと気まずさを感じながら、テニスコートの前を避けて帰った。
だから、気づけなかった。部員全員で集まってミーティングしていることに。
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