人間行動観察バラエティ「ウォッチング」

みのるしろいし

本編

【会議室】

ルイ:こんにちは!鷲見(わしみ)ルイです!

ルイ:視聴者の方から頂いた気になる人にドッキリをしながら迫っていく「ウォッチング」

ルイ:今回のお便りは大阪府のサギサカ イオリさんから頂きました。


【手紙】

イオリ:こんばんは、いつも楽しく「ウォッチング」を拝見しています。

イオリ:私の働いている会社のITサポートセンターに、明らかに声がカッコいい担当者の方がいらっしゃるのです。

イオリ:声優のような声で、応対の感じが物凄く良く勝手に癒されています。

イオリ:どんな方なのかが気になるので調べてほしいです。


【会議室】

ルイ:ということで今回は、イオリさんが勤務されている株式会社オフィスホワイトの大阪支店にお邪魔しています。

ルイ:そして、お便りを頂いたイオリさんです。

イオリ:よろしくお願いします。

ルイ:サポートセンターの方の声がカッコいい?

イオリ:そうなんです。

イオリ:企業内のIT面をサポートしてる部署の方なんですが

イオリ:明らかに声優か何かをやってたのかな?というくらいいい声で

ルイ:なるほど、どんな人なのかが気になると。

イオリ:はい、名字はクロダさんなんですが

イオリ:社員検索をしても複数名いらっしゃってどの方かがわからなくて・・・

ルイ:なるほど・・・わかりました!

ルイ:今回、黒田さんについて番組で調査した結果、オフィスホワイトに所属されている方ではなく、

ルイ:業務提携されている会社の請負社員の方であることが分かりました。

ルイ:関係各位とアポイントを取った上でこのドッキリを仕掛けることにしました。

イオリ:すごい・・・

ルイ:題して!

ルイ:もしも、業務中にかかってきた電話が有名人からだったら!

ルイ:これから、私がイオリさんの名前を借りて黒田さんが勤務されているサポートセンターに電話をかけます。

ルイ:そこで黒田さんのお声を聞いてみようという試みです。

イオリ:テレビの力って凄いですね・・・

ルイ:また、事前情報で黒田さんはなんと!私のファンだという情報を得ています。

イオリ:ファンにとっては最高のシチュエーションですね。

ルイ:今回、黒田さんが勤務されているITサポートセンター内に

ルイ:「サポートセンターの勤務について密着」という名目でカメラを設置しておりますので

ルイ:黒田さんが気づいた時の表情を「ウォッチング」することも可能にしております!

イオリ:テレビの力って凄い・・・ぬかりない。

ルイ:というわけで、早速かけてみましょう!


【コール音】

ダイキ:お電話ありがとうございます。

ダイキ:オフィスホワイトサポートセンター担当の黒田と申します。

ルイ:近畿支店のサギサカです。いつもお世話になっております。

ダイキ:サギサカ様ですね、いつもお世話になっております。

ルイ:Web会議があるのですが、使っているパソコンのカメラから映像が出力されなくなってしまって。

ダイキ:カメラから映像が出ないということですね。

ダイキ:利用しているパソコンの管理番号をご教示下さい。

ルイ:はい、この英数字8桁で良いでしょうか。

ダイキ:そちらです、お願いします。

ルイ:P1995H0328です。

ダイキ:恐れ入ります、管理番号に誤りは無いでしょうか?

ルイ:あぁ!失礼いたしました。P2021H1006です。

ダイキ:ご協力ありがとうございます。

ダイキ:映像が映らないというのは、何かメッセージが出ていますか?

ダイキ:それとも真っ暗な状態でしょうか?

ルイ:真っ暗な状態ですね。

ダイキ:では、お使いの端末にはセキュリティシャッターという機能が搭載されています。

ダイキ:カメラ部分側面にツマミがありますので、それを逆方向にスライドしてみてください。

ルイ:かしこまりました、あっ!映りました!

ダイキ:それは良かったです。

ルイ:サポートありがとうございました!

ダイキ:お役に立てて何よりです。

ダイキ:最後にお手数ですが問い合わせ履歴を残すために社員コードを頂いてよろしいでしょうか。

ルイ:あ・・・W4M10です。

ダイキ:ご利用ありがとうございました。

ダイキ:サポートセンターの黒田が担当いたしました。

ルイ:失礼いたします。

ダイキ:失礼いたします。


【オフィスホワイトサポートセンター】

ダイキ:(M)さっき間違えて言った端末が気になるな。

ダイキ:(M)リース期間もとっくに過ぎてるはずなのに、しかも5年ならわかるけど27年だぞ?

ダイキ:(M)俺と同い年だぞ?そんな端末放っておいて良いのか?

ダイキ:(M)しかも教えてもらった社員コードも該当しないし・・・あ、名前検索で該当あった。

ダイキ:(M)うん?でもサギサカさんってあんな声だっけ・・・?聞き覚えはあるけどそんな声だったかな?


【会議室】

ルイ:たしかにいい声でしたね。

イオリ:ルイさんが聴いてもそう思われますか!

ルイ:えぇ、そしてカメラを見る限り疑問は残ってるけど私には気付いてないみたいですね。

イオリ:パソコンの管理番号は本来、リースが開始された日付で構成されているので悩むでしょうね・・・

イオリ:そして、社員コードがそれっぽくて笑い声が入りそうでしたw

ルイ:では、気づいていなさそうなので第二弾とネタバラシに移ろうと思います!

ルイ:これから、支社長の端末の現地サポートをお願いしに、

ルイ:ITインフラ課の方が黒田さんを呼び出しに行きます。

イオリ:サポートセンターは普段そんなサービスをしていない気が・・・

ルイ:支社長クラスの時はサポートセンターの責任者が本来担当しているようですね。

ルイ:ですが今日は責任者の方にリモートワークをお願いしており、黒田さんが行くことを許可するように依頼しています。

イオリ:結局待ってるのはルイさんとの対面ですもんね。

ルイ:そして私が、気づいてくれなかったことに冷たく話します。

ルイ:さらに、黒田さんのファン力を試すクイズをいくつか出題して、最後にドッキリであることを明かします。

ルイ:果たして、黒田さんはどんな反応を魅せるのか!

イオリ:好きなタレントに会えた喜びとそのタレントに冷たくされてる・・・これはぐちゃぐちゃになりそう!

ルイ:では、早速やっていきましょう!


【オフィスホワイトサポートセンター】

トワ:あれ?谷郷たにごうさんは?

ダイキ:今日は在宅勤務ですが。

トワ:そうなの?実は、支社長が使ってる端末でトラブルがあってね。直接見て欲しくて。

ダイキ:そうなんですか・・・本来谷郷さんが行く決まりなんですよね。

ダイキ:他で行って良いか聞いてみましょうか?

トワ:お願い出来るかしら?

ダイキ:かしこまりました、少々お待ちください。

【間】

ダイキ:許可おりました。私で対応します。

トワ:助かるわ~、ありがとう。会議室に居るから案内するよ。


【会議室】

ルイ:上手く誘い出せましたね!

イオリ:ちゃんと上司に確認取ってから向かうところも出来てますね。

ルイ:さあ、どんな表情をするのか注目ですね!

【会議室前廊下】

トワ:2号会議室に秘書の方と支社長がいるから、状況確認からお願い。

トワ:私、少し戻らないといけないから後から向かうわね。

ダイキ:わかりました。


【ノック】

イオリ:はい?

ダイキ:オフィスホワイトサポートセンター担当の黒田と申します。

ダイキ:パソコンの不具合があるということでお伺いしました。

イオリ:あぁ、どうぞお入りください。


【ドアを開け、一礼。】

ダイキ:しつれいいたしま・・・へっ!?

ルイ:こんにちは、黒田ダイキさん。

ダイキ:な・・・なぜルイ様がこちらに!?

ルイ:声だけで私ってわからないんですね?

ルイ:私のファンだって言ってたのに。

ダイキ:えっ・・・?いや、うん?

ルイ:社員コードW4M10

ダイキ:あっ!!!!

ルイ:あっ!!!じゃないわよ!

ルイ:そっかぁ・・・やっぱり私だって気づいてくれなかったんだぁ・・・

ダイキ:た!大変申し訳ございません!!

ダイキ:まさか・・・社員以外の人から電話がかかってくるとは・・・思わなくて。

ルイ:私のこと、本当に知ってますか?

ダイキ:もちろん!もちろんですとも

ルイ:では、許すか否かは私に関するクイズに答えてもらいましょう。

ダイキ:へっ!?

イオリ:では、ダイキさん、クイズです!

イオリ:鷲見ルイさんが、初めて出演されたドラマとその役名は?

ダイキ:タイトルは正式名称ですよね?

ルイ:もちろん。ファンならわかるわよね?

ダイキ:はい、解答します。

ダイキ:タイトルは「チョベリマ(超ベリーマゾヒスト)な俺をサディストにしたい女王様」

ダイキ:役名は「レイラ」

イオリ:ラストアンサー?

ダイキ:へっ!?

イオリ:ラストアンサーと言うまでは解答を変えることが出来ます。

ダイキ:・・・ラストアンサー!

イオリ:ルイさん、答えは?

ルイ:・・・・・正解!

ダイキ:当然です。あのドS女王様でどれだけファンが増えたか。

ルイ:まあ、私のファンなら当然よね。でもチョベリマの正式名称もちゃんと言うあたり流石。

イオリ:では、第二問

イオリ:鷲見ルイさんのNG作品は何?

ルイ:これはテレビでは一切言ってないことなんですよね。

ダイキ:わかります。

ルイ:早い!

ダイキ:作品における登場人物を著しく不幸にさせる役です。

イオリ;ラストアンサー?

ダイキ:ラストアンサー!

イオリ:ルイさん、答えは?

ルイ:・・・・・正解!

イオリ:これはどうしてわかりました?

ダイキ:ルイさんの事務所の出演依頼のところを見ました。

ダイキ:その時、このことが書いてあったなと思って。

イオリ:女王様役もやられていますよね?

ダイキ:僕たちにとってはご褒美ですから!

ルイ:キモッ。

ダイキ:あぁ・・・それ好きです。

ルイ:でも、そこまで見てくれる人なかなかいなくて・・・嬉しいですよ?

イオリ:最終問題、第三問です。

イオリ:鷲見ルイさんが、ペットとして飼っている動物とその名前は?

ダイキ:・・・・は?

ルイ:あ、困ってる。

ダイキ:(M)・・・・ダメだ。浮かばない。ツブヤイッタ―にもペットについて情報が無いよ・・・

ダイキ:(M)いや、ここは敢えて。

ダイキ:解答します!

ダイキ:ペットは飼っていません!

イオリ:はい!?

ダイキ:以前にルイ様がやっていたボイチューブライブで、ペットについて話していたんですが

ダイキ:本当は飼いたいけど、今住まれている場所がペット禁止だから飼えないって言ってた・・・

イオリ:なるほど・・・ラストアンサー?

ダイキ:・・・・ラストアンサー!!!

イオリ:なるほど・・・ルイさん、答えは?

【自由に間を溜めてください】

ルイ:・・・・・せいかーーーーーーい!!!!

ダイキ:いよしっ!!!!!

ルイ:ちなみにペット飼ったって話をしたことあるのは覚えてる?

ダイキ:確か去年のエイプリルフールですよね?

ダイキ:ツブヤイッタ―でペット飼いましたって言って、脚で踏みつけられてる風の写真載せてた。

ルイ:わお・・・・凄いわ、完璧。

イオリ:本当にファンなんだなぁ・・・

イオリ:・・・これでクイズは終了です、さて、ルイさん。ダイキさんを許しますか!?

ルイ:そうねぇ・・・・でも、声で私って気づかなかった罪は重いのよ!!!お仕置きが必要ね。

ダイキ:ヒィィィッ、お許しを・・・・


【ひざまずき、頭を下げるダイキ】

【なかなか来ないムチにダイキ、頭を上げる。目の前にはプラカードを持ったルイ】


イオリ:ドッキリ!

ルイ:大成功!

ダイキ:へ・・・?

ルイ:ごめんなさいねぇー何も知らせずに騙すようなことして。

ダイキ:どういうこと・・・ですか?


ルイ:(M)ここで、スタッフから事情説明

ダイキ:そりゃ気づくわけないですよ!

ダイキ:仕事中で何十人も毎日声聴いてる訳で・・・対応もしてますし考える暇もない!

ルイ:ハハハハッ。まあそれほどちゃんと仕事に打ち込んでるってことですから優秀ですよ。

ダイキ:それは・・・ありがとうございます。

ルイ:さあ、イオリさんいかがでしたか?

イオリ:声も仕事も素敵な人なんだなって思いました。

ルイ:そうですね!では、ドッキリにかけてしまったお詫びと言いますか。何か私にしてほしいことありますか?

ダイキ:良いんですか!?それなら・・・セリフをボイスメモに保管しても良いですか?

ルイ:わかりました!後ほどお聞きしますね。

ルイ:(ナレーション)この後、ダイキさんがリクエストしたセリフをボイスメモ吹き込みました。


【ボイスメモ再生】

ルイ:あ、おかえり。お仕事お疲れ様。

ルイ:ごはんにする?それとも、お風呂にする?

ルイ:そ・れ・と・も?

ルイ:なーにつったってんのよさっさとひざまずきなさい!

ルイ:・・・なーんてねっ。いいこいいこ。

ルイ:今ご飯作ってるから、先にお風呂入っちゃいな。

ルイ:背中・・・・流しに行ってあげるから。

【再生終了】

ルイ:(ナレーション)ダイキさん、イオリさん、オフィスホワイトの皆さん。ご協力ありがとうございました!次に「ウォッチング」されるのは、あなたかもしれません。


【ダイキ宅、テレビを消し、一呼吸】

ダイキ:俺の性癖暴露してんじゃねー!!!!

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