第9話血まみれの子ども
翌日、我々は402号室に設置した監視カメラを回収し、撮影した映像をスタッフルームで確認した。設置した監視カメラは二つ、リビングと風呂場に仕掛けた。
何が映っているのか椿は息を飲みながら映像を見た、すると午後十一時を過ぎたころに突然テレビの砂嵐が流れ始める。
「はじまったぞ・・!」
深夜の部屋に響く砂嵐、するとテレビの画面に子どもとおぼしき人影が映りこんだ。
「うおっ、映ったぞ!」
しかしリビングのカメラは、この二つ以外に怪奇現象を撮影することはできなかった。
続いては風呂場に設置したカメラ、こちらは午前0時を過ぎても特になにも映らなかった。
しかし午前1時を過ぎたころ、風呂場の入り口から男の子とおぼしき姿が現れた。
「うぉっ!来たぞ!?」
「こ・・これは!?」
乱れた髪にボロボロの衣服、顔はうつむいているため見えにくいが、十分不気味だ。
すると男の子は開いているふたのすき間から手を入れて、浴槽からぬいぐるみを取り出した。
その時男の子は顔を上げて、顔がカメラに映った。
頭から血が小さな滝のようにしたたり、目の上は腫れてこぶになり、口から見える歯は何本か失くなっていた。
映像を見ていた椿たちは血の気が引いて絶句した。それから子どもはぬいぐるみを持つと、風呂場からいなくなってしまい、以降カメラに映ることはなかった。
椿は映像を止めて、考え込む表情になった。
「すさまじい映像だ・・!これは何か強力な霊力を感じるぞ・・」
映像に映っていた、おぞましいぬいぐるみを持つ子ども。
一体彼はなぜおそろしい幽霊へとなってしまったというのか・・、我々はさらに調査を進めることにした。
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