源夫妻

1.概要

 錫見原市内で古畑香織と古畑光暉の父母であった夫婦。夫の源幸太郎がパティシエ、妻の源明莉がバリスタであり、学園都市の商店街で喫茶店を経営していた。牛の声襲撃後に香織を外部で保護するように要請し、他の事情を知る大人達へ協力を呼び掛けていた。また、マンホールの中から保護された五頭幹弘を預かり、錫見原市消滅まで世話を焼いていた。

 光暉や香織に対して深い愛情を向けると共に、彼等の精神的自立を願い、あまり深く関わろうとはしなかった。しかし、五頭幹弘に対しては彼の不安感を取り除くため、甘やかす場面もあった。

 香織が初期の情報収集拠点として使う程度には、観光客や市内の住民など幅広い客層に好かれる喫茶店を経営していた。

 現実でも殆ど同じ雰囲気の喫茶店を経営しており、客層も近い。ただ一つだけ違うとすれば、源夫妻は子供に恵まれず、また自営業ということから養子制度の利用が難しいといった状況で、子供を迎えて愛情を注ぐということが夢であった。現実での仕事として病院内の喫茶店などにケーキなどを定期的に卸しており、その中で香織らと交友を深めていた。

 また、香織らが自分達の子供ではないことや、自分達が本来どのような現実に生きていたかを錫見原市生成初期には既に気付いていた。

 

2.パーソナリティ

 作中では最も香織のことを理解していたキャラクターであった。人間との距離感を保つことが得意であり、夫婦ともに人間に対する分析力に優れていた。そのため香織の精神が「虚無」であること、光暉が妹である香織を恐れていることなども理解していた。その上で「自分達では解決できない」として状況が悪化しない程度に手をかけるという、一種の思考放棄のような、責任感に欠ける部分がある。

 

3.補足情報

 本作において香織達が一番最初に安心出来る場所として「不干渉でありながら確かな愛情をもって接する人間」としてデザインされた。当初は井森父子と対になるように源家を母子家庭にする案があったが、経済面などに不安を抱えるため夫婦を揃えた。

 また、構想初期から香織が実の子供ではない事を知った上で養育しているという設定は存在しており、喫茶店経営ではなく女性警察官が母親であるという設定でスタートしていた。この設定が速水真央に移植された側面もあった。


4.錫見原市消滅後

 現実の夫妻の家で目覚める。錫見原市の中で起きたことについて二人で話し合う内、香織が死んでいるだろうことに気付き、光暉と連絡を取る手段を探す。香織が入院していた病院などに連絡する中で、井森響介と再会、娘であった香織の弔いに参加する。

 その後は喫茶店が響介らの集合場所として活用されるようになる。

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