第4話 続編がスタートしたようです(旧ヒロインはどうなるんでしょう)
★続編のストーリー★
新女王として即位したレアは原因不明の病でで魔力を著しく消費し、伏せってしまう。
そこで新たに聖魔法の素質がある新ヒロインが選ばれ、原因究明とともに各地の魔力を安定を図っていく。
(…暇だ)
今の私はというと、私室にて絶対安静を強いられている。
というのは
ここ最近、書類の山が一向に片付かない→だったら少しお仕事の時間延長して少しでも減らしていきましょう→なぜか増える書類→ある地方で魔力の流布の依頼→
という流れで、体が限界を迎えてしまったようだ。
ここ最近の書類の増加については王補佐官ロキの目には触れていなかったようで。
ロキは自身が気づかなかったことと限界を迎えるまで抱え込んでしまった私の怒りやらで、主に魔力の回復させる目的で長期の休養するよう進言された。
魔力の消費は深刻だったようで もう少し遅れていたら、聖属性の魔力が枯渇してしまっていたらしい。
(そんな重病にしなくても…)
ベッドから体を起こすのにもなんだか疲れてしまうほど、消耗されている。眠りすぎていたのでもう目もさえてしまった。暇だ。でも話し相手もいない。
…ゲームの流れ通り、私は休養となった。混乱を招くため、これを知るものは属性の長たち、王立施設の責任者などの一部の人間のみ。
王の仕事は書類の確認のほかにもう一つ、世界各地に聖属性の魔力を流すというものがある。
これは王都のある場所で過ごすことで自然と世界へ流布される仕組みになっている。
しかし今私の魔力が枯渇寸前のため、これ以上負担を大きくするのは属性の長や補佐官によって止められた。
そこで聖属性の魔力の高い新ヒロインが選ばれ、登場するのである。
◇◇◇
「陛下、今よろしいでしょうか」
控えめなノックの後、いつもよりも元気のない声が聞こえる。
「いいですよ」
かちゃ、と静かに開いた扉の先にはうつむいているロキがいた。
「陛下、申し訳ございませんでした…」
私が言葉をかける前に、ロキは深々と頭を下げていた。
栗色のサイドテールが揺れる。
ロキは私と一緒に王試験に挑んだライバルだ(ちなみに
人にも厳しいが、己には一番厳しい。
「気にしないで。私のほうこそごめんなさい。無理しすぎちゃったみたいだね」
「そんな…風に言わないでください」
自分が厳しくされたから、私の言葉は甘やかしにも感じてしまうし、自分が許せないんだろう。
「ほら、今度からわかるようになったじゃない、書類これ以上は多いんじゃないって」
「へい、か」
「女王になってからさ、初めてまとまったお休み取れたよ~。これでロキも一緒に休めたなら一緒にお出かけできたのにね」
「なにを…おっしゃっているのですか」
ああ、良かった。くすくす笑い声が聞こえる。
「あら、私は本気よ。しっかり休んで私たちがいなくても大丈夫なくらい世界が発展したら、一緒に旅行でもしましょうよ」
レアも「私」もこの世界が大好きで、ここにいる人がとても大切だ。
もちろん推しのリュカもだけど。このゲームの登場人物みんなが楽しく、幸せになれればいいと思う。
もし、新ヒロインがリュカと幸せになりたいと思われたらそれはちょっともやもやだけども。
「しっかり休むね。ロキには負担をかけてしまうと思うけど」
「心配しないでください。私はうまく人を使いますから」
「ふふふ、ありがとう」
「そうでした…これを」
「これって」
ロキは最後に小さなブーケを手渡してくれた。
「セレストの職員からです」
(リュカから…)
「「本当なら自分が行ってもいいのですが、興奮して体調が悪化されても困りますからね」とのことでしたよ」
「…ありがとう、と伝えてくれる?」
「ええ、もちろん」
ふわり、優しい風が部屋を駆けてゆく。ブーケからの甘い香りに私とロキは微笑んで別れた。
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