16 ディアノベルク家の姉妹事情②
「……お兄様、素敵です」
「ありがとう。コリーナのドレスも似合ってるよ」
で、ディアノベルク子息女の唯一の良心が妹のコリーナだ。
引っ込み思案なのが玉に瑕だが、美貌もさることながら才色兼備、努力家でもあり、何より姉さま方に比べれば僕の扱いが良心的なのが救いの理想的な可愛い妹キャラである。
コリーナは僕を純粋に兄として慕ってくれるし、僕もそんな妹が可愛く、この世界で股間センサーが反応しない数少ない憩いの存在となっている。
と、そんな関係性から余裕をもって臨める僕は、母上や姉さま方が僕にそうするように、コリーナはどうしても甘やかしてしまう。
前世ならとてもできなかったが、兄として親愛100で妹の頭を撫でられる。コリーナも満更でも無さそうに頭を傾けてくれる。
「あ、ずる~い。私も撫でて~?」
と、傍で見ていたマホ姉さまが字面だけ見るとあざとくてぶっ飛ばしたくなるような、しかし持ち前のおっとりさでつい絆されてしまう声で擦り寄ってくる。
くるしゅうない……いや何様だ。 この姉の魔性にはやはり抗えない。 撫でましょうとも。
「私も撫でていいぞ?」
「はいはい」
「ははは、いつもながら投げやりだな!」
アッシュ姉さまは若干暑苦しいのとぐいぐい来るので元弱男としてはつい引いてしまうのだが、ハキハキ喋るというだけで土台質が悪いわけではない。 前世の苦手を引きずっておざなりにするには肉親として忍びなさもあるし、結局ゴネ倒されると余計面倒なので程よいところで撫でておくのがいい。
「でもこんなやり取りも悪くないでしょう?」
「だな、アルは私をよく分かっている」
こう、何かそういうノリを作って丸め込めば本人は満足そうなので当たり障りなく捌ける。
しかし三人ともいい匂いだな。石鹸は同じものを使っているはずなのに男女というだけで何故こうも違うものか……あぁ、こちらを撫でてはあちらが空く。手が三本ないのがこれほど惜しかったことはない。
「貴女たち、いつまで遊んでいるのですか。もう時間ですよ」
と、そんな至福の時間も
そうだ、これからまたなんやらかんやら気を揉む晩餐会なんだった。
「さぁ晴れ舞台だ。堂々振舞うんだぞ」
と、背中をバシンとしばいてくるアッシュ姉さま。だからそれ年間税収だって。叩くの辞めて怖いから。
「大丈夫、皆心から祝ってくれるから、緊張しないで」
と、優しく頬を撫でてくれるマホ姉さま。そのまま僕の唇を奪ってその後はその豊満なおっぱいに顔を埋めさせてください。
「お兄様、頑張って」
と、控えめに激励を飛ばすコリーナ。うん、お兄ちゃん頑張るよ。コリーナがそう言うならお兄ちゃんもうい〰〰っぱい頑張れる。
そうして、会場が割れんばかりの拍手喝采を浴びながら入場した大広間で一貴族子息としては異例の豪華すぎる誕生会が開かれた。
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