予報では晴れ
まあ、そりゃ腹も減りますわ」
昼飯を隣人にあげてしまったせいで食べるものが無く餓死寸前である。
「あげなきゃ良かったな」と、若干の後悔をしつつ、趣味用の貯金に手を出そうか真剣に悩んでいると、
「何しけた面してんだ?女にでも振られたか?」と、雑な絡みをしてくる野郎が1人。
「そんな相手は居ねぇよ、腹が減って動けないんだ、何か食いもん持ってないか?」と、ツッコミつつ友人の冬彦に助けを求める。
「おいおい、タバコの吸いすぎで遂に飯まで抜き出すとは、そろそろタバコ辞めた方が良いんじゃないか?」
「アホ抜かせ、タバコ代の為に削るのは家賃だけだ」
「それもそれでどうなんだ?」
「飯抜くよか健康的だ」
「違いない」
なんて会話をしながら何だかんだ菓子パンを恵んで貰えた、「持つべきものは友達だな」と、感謝の言葉を述べておく。
「現金な奴め」と睨まれているが気にしない。
「そう言えばお前が昼飯を忘れるなんてな、疲れてんのか?」
と、冬彦から物珍しい目を向けられる。
「食いしん坊みたいにいうのはやめてくれ」と、訂正を入れておく。
「いや何、秋は見た目に反して意外としっかりしてるからな、忘れ物するのが珍しいだけだ。」
「見た目に反しては余計だ、腹をすかした隣人に昼飯を渡しちゃったんだよ」と、言うと目を丸くして「お前が人に飯をやるとは、今日はハリケーンでも来るのか?」などと抜かしおる。
一発くらいなら良いだろうと拳を固めたところに、5人程のグループがやってくると、「冬彦〜メシ行こうぜ〜!」と声を張る。
「お!行こうぜ!またな秋斗、もう食費削るのはやめろよ!」と、余計な事を言い残して消えていった。
ご覧の通り俺とは違い冬彦は友達が大層多い、飢え死にしかけてた俺に食べ物を恵んで、自分は飯を食べに行ったくらいだ、そりゃ好かれるわ、その為2人で話してると大体誰かに連れて行かれる、勿論俺は誘われん。諦め。
とりあえず貰った菓子パンに感謝しつつぼっち飯をこなし、お陰様で手を付けずに済んだ金を使い、講義後久々に趣味の時間を取ろうと決めたのだった
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