ぷらかの! 売れ残りの福袋を買ったらなんと中身はJKが入ってた!? ~S級美少女な彼女が出来ていきなり同棲が始まっちゃった件~

kazuchi

第一話【可憐なセーラー服姿の女子高生がなぜ俺のベッドで寝ているのか!?】

『ご、ご主人様の手で私の制服のスカートをき替えさせて貰いたいんです』


 ――部屋にいきなり現れた見知らぬ女の子に俺はなんと不埒ふらちな行為をしようとしているのか!?


『あっ、無理を言うようですけど替えてもらうときにスカートの中身は出来るだけ見ないでくれませんか』


 俺のベッドに寝そべり頬を赤らめるセーラー服姿の美少女。柑橘かんきつ系の甘い香りが俺の鼻腔びくうをくすぐり、目の前の光景が幻でないことをはっきりと物語ものがたっていた。


「ほ、本当にスカートを脱がしちゃってもいいの!?」


『このままじゃ、は恥ずかしくて死んじゃうから早くしてください、お願いしますご主人様!!』


「わ、わかった。俺のつかんでいる固くて黒いを君にはめ込めばいいんだろ? じゃあ制服のスカートをはずすよ」


『んっ、ふうっ!! いきなり手荒に扱わないでくださいね、女の子の身体パーツはデリケートに出来てるから壊れちゃう……』


「ああっ、ご、ごめん。こういうの久しぶりだからちからの加減がわからなくて」


『そんなに緊張しなくてもいいんですよ。私はご主人様が初めての相手ですから』


 ロングヘアの前髪がはらりと揺れ彼女の真っ白なおでこが現れる。桜色に染まったほおとのコントラストに思わず俺は目を奪われた。


『ご主人様、大事なことをする前にお願いがあります」


「な、何、お願いって!?」


『まず私のことを覚えて下さい。天沢あまさわなずな、十六歳、紫陽花あじさい女子高等学園一年B組です』


 聞いたことのない名前の女子高だな、それによく見てみると彼女の着ている特徴的な夏服のセーラー服もこの辺りで見かけた覚えが俺にはなかった。


「あまさわ、なずなちゃん、うん覚えたよ、とても可愛い名前だね、そして君が俺と同い年だなんて」


『同い年が何ですか?」


「う、うん、とてもキレイで大人っぽく見えるから、てっきり俺よりもお姉さんかと思ってさ」


『何だか照れちゃいます。だけど嬉しいな。なずなが輝いて見えるとしたらそれはご主人様のおかげなんですよ、私を暗くて狭い場所から救い出してくれた王子様ですから!!」


 か、可愛すぎるだろ!! 


 飛び切りのS級美少女な女子高生からこんな告白をされたら、どんな男でも一瞬で恋に落ちるだろう。それは自分も例外でなかった。ひとめ惚れが本当にあったなんて今日まで知らずに生きてきた俺はなんと人生を無駄にしていたのか!! 据えぜん食わぬは男の恥と昔の人はよく言ったもんだ。

 黒目がちの大きな瞳にきらきらと虹彩こうさいが浮かぶ。こちらを見つめる彼女の真剣な表情には、異性から肌を触られるためらいは感じ取れなかった。


『ご主人様のやりかたでなずなのことをぎゅっ、と抱きしめて。そのあとで優しく私の身体にはめ込んでください』


 俺はもう我慢の限界だった。震える手で彼女のスカートを外す。出来るだけ目を逸らしながら手探りなのはちゃんと忘れない。


『ご主人様の手のひらってとてもあったかい。なずなをこの世界に生み出してくれた神様みたいな指先です。私、今日のことは一生忘れません、あなたにどう思われたって構わない、ずっと一緒にいさせて欲しい……』


 これまで必死に感情をこらえていたに違いない。なずなの形のよい頬からあごへかけてのラインに大粒の涙が流れる。これほど喜ばれるを俺は知らず知らずのうちに彼女へ与えていたのか!? その言葉を聞いて俺は腹をくくった。


「なずな、じゃあいくよ。ように身体の力を抜いて、そうそう腰をベッドから浮かして、スカートの後ろ側を横から引っ張りながらゆっくり外すから」


『は、はい、ご主人様、これでいいですか?」


「よし!! 制服のスカートはうまく身体から外れたぞ」


『あ、あんまりじろじろ下を見ないでくださいね……』


「安心して、約束通りちゃんと視線はらしているから。なずなの顔しか見えてないよ」


『ふえぇっ、それがいちばん恥ずかしいかも、こんなに乱れた顔をご主人様に見られちゃうなんて』


「それは仕方がないよ、最初はびっくりしたんだ。君の表情にあれほどの種類があるなんて全然知らなかったから。でも照れた表情のなずなも可愛いから俺は好きだな」


 何を気障きざなセリフを吐いてんだ俺は!? 昨日、初恋の幼馴染に告白してあっさり振られたショックで頭に何か湧いたんじゃないのか!!


『嬉しい!! ご主人様が好きだって言ってくれるのがなずなの何よりの幸せです。これから百面相でも何でも見せちゃいます♡』


「おわっ!? ちょ、ちょっと俺の首に抱きつかないで、今からなずなの大事な部分にをはめ込まないといけないから、そんなにぴったり身体を押し付けないでくれ、手探りで狙いが定めにくくなるから!!」


『ご、ごめんなさい、なずな、目を閉じてベッドで大人しくしてますから」


「ふうっ、じゃあ、これからはめ込むけど痛かったらすぐに声を上げてくれ。動かすのをやめるから」


『は、はい、なずなは初めてだから痛くしないでください、ご主人様』


「優しくするよ。繊細デリケートな部分だから針を通すように慎重にはめ込むからさ。よし、先端が入った。ううっ!! 結構入り口が固いな」


『んんっ、ふうっ!!』 


「痛かったか? 身体にぐいぐい押し付けるのをやめようか」


『いえ、なずなは大丈夫ですからもっと強くはめ込んでください」


「わかった。少しのあいだ我慢してくれ。一気に終わらせるから」


『は、はい、ご主人様、なずなも頑張ります』


「あああっ、もう少しで下までうまくはめ込めるから。よし全部入ったああ!!」


『ご主人さま嬉しいです。なずなはもうパンツが丸出しじゃないから恥ずかしくありません!!」


「ふうふうっ!! すっかり汗をかいちまった。本当にごめんな。もともと俺が悪かったんだ。プラモデルの説明書を良く読まないで、なずなのスカートの部品パーツを前後逆に組み上げちまったのがそもそもの原因だから。風にめくれ上がるスカートの部品のままだと白いパンツが前から丸見えだもんな」


『いいんですよ。プラモデルを作るのは小学生以来だって言ってたじゃないですか。久しぶりなのにちゃんとした道具を揃えて、丁寧ていねいになずなを組み上げてくれましたよね。すごく嬉しかったんですよ、模型店の片隅で売れ残っていた美少女プラモデルの私がこんな素敵なご主人様にお迎えして貰えるなんて、まるで夢を見ているみたいです!!」


 俺は片想いの幼馴染から振られてあてもなく街をさまよっていた。ただの気まぐれで立ち寄った場末ばすえの模型店。店頭に売れ残っていたプラモデルの一万円福袋を買っただけなのに。そして福袋に入っていた一番興味のなかった美少女プラモを暇にあかせて組み上げたのちに爆睡してしまった。枕元には完成品のプラモを置いたままで。


 そして次の朝、目が覚めるとベッドの中で等身大になったなずなが俺に添い寝していたんだ。そこから彼女との物語が始まった。


「なずな、プラモデルの箱にはS級美少女って書いてあったよね。そのS級の意味ってもしかしてスケールだったりするの!?」


『はいっ、おっしゃるとおりです。私はもともと十分の一スケールのプラモデル。美少女、紫陽花あじさい少女菜園シリーズの天沢なずなです!! 今日からご主人様のお部屋に住まわせて頂いてもよろしいでしょうか?』


「お、おう、俺は別に構わないけど」


『やったぁ!! じゃあご恩返しにお部屋に飾ってもらうだけでなく、ご主人様の彼女として精一杯色んなお手伝いをしますから』


 なぜ十分の一スケールの彼女が実在化じつぞんかして、組みあがったプラモデルの完成状態でなく人格を持った生身で等身大の女子高生の姿になって俺の前に現れたのか!? 


「まあいいか。どうせ俺には恋人なんて呼べる相手はいないし、こんなに可愛いならでもむしろ大歓迎だな」


『はいっ、ありがとうございますご主人様!! でもその呼び名は長いしあんまり可愛くないです』


「じゃあ、ぷらかの! ってどうだ、昔流行った美少女アニメのタイトルみたいでなずなにぴったりじゃないか?」


『ぷらかの! それすっごく気に入りました、さすがは私のご主人様です!!』 


 なずなの天真爛漫てんしんらんまんな笑顔を見ていると俺の思い浮かべた疑問はどうでも良くなった。


『ぷらかの! 出席番号一番、天沢なずなです。 ふつつか者ですか、これからもどうぞよろしくお願いします♡』


 かくして売れ残りの福袋に入っていた飛び切り可愛いS級美少女が、一万円で俺の彼女ぷらかのになったんだ。


 なずなと一緒に暮らせる!!


 重苦しい空気ですっかりよどんていたこの部屋と、何よりも俺の気持ちに明るい陽射しが射し込んた瞬間だった。



 次回に続く。


 

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