第78話 依頼達成。
午後は物置部屋のお片付け。冒険者だったおじいちゃんが趣味で集めた魔道具とか、冒険に使う物とかが大量に積み上げられてる。
「ここにある道具をなんとか分かりやすく片付けたいのだけど、出来るかしら。」
「棚と机に分ければいいですか?」
「そうね、可能なら種類とか何に使うかで分けられたらいいのだけど。」
「やってみます。」
「ごめんなさいね、お願いするわ。」
難しいことを頼んでごめんね、とすごく申し訳なさそうにしてたから、こっちも気を遣わせちゃってごめんなさいって気持ちになった。私は小さいけどディアもいるし大丈夫なのですよ。
〈とりあえず鑑定してざっくり分けようか。〉
〈あまりちゃんと分けすぎると鑑定を使ったと知れる可能性か高くなる。ある程度の大きさで分けてからその中で用途分けをしよう。〉
〈わかった。重いのはお願いしても良い?〉
〈ああ、任せろ。〉
まずは道具を見て大きさと箱型、複雑な形とかでざっくり分けていく。それが終わったら鑑定をして、何となく冒険系とその他に左右に分けて棚にしまっていく。
〈知ってる人が見たらどう使うか分かるよね。〉
〈分かるだろう。ギルドへ依頼を出しているんだ、道具に詳しいやつを探すことだって出来る。〉
〈そっか、そうだよね。それならこのくらいでいいかな?〉
〈上出来だと思うぞ〉
物置部屋にあった道具たちは棚に並べて、細かい物は机の上に置いてある。箱がいくつか置いてあったからそれを借りて、形や使い道で分けてあるから次に誰かが見てもわかりやすいと思う。
〈戻ろっか。〉
〈あぁ。〉
「おばあちゃん、お部屋の片付けが終わったので確認してもらってもいいですか?」
「あらありがとう、ちょっと見てくるわね。お茶飲んで待っててね。」
〈ディアお水いる?〉
〈いらないよ、ありがとう。〉
おばあちゃんがいれてくれた紅茶を飲みながらホッと一息。朝から外で暴れるのと違ってものすごく疲れてる訳じゃ無いけど、ちょっとだけ気疲れしてるみたい。
「綺麗に仕分けてあったよ、ありがとう。完了のサインを書くから紙を出してくれるかい?」
「はい、お願いします。」
おばあちゃんにサインをもらったら紙をしまって、お
おばあちゃんにバイバイをしてギルドに戻るとロレンさんがいたので、完了書を渡してついでに薬草も渡して納品の処理をしてもらう。
「確認しました。お金はプレートに入れていい?」
「はい、お願いします。」
「入れておくね。実はこういうお手伝い系の依頼ってあまり受けてもらえないんだ。ここは外に出て暴れたい血の気の多い冒険者が多いから早めに受けてくれて助かったよ、ありがとう。」
「見つけたらなるべく受けるようにしますね。このあとって少しお部屋入っていいですか?」
「いいよ、今開けるね。」
部屋を指差すとすぐに開けてくれた。感謝。
「今日も薬草の仕分けやってから帰りますね。」
「ありがとう、助かるよ。カウンターにいるから終わったら声かけてね。」
忘れず部屋のプレートを使用中にして内側から鍵をかける。前回同様ディアにソファーになってもらって床で仕分け作業。
〈明日は何をしようか。〉
〈ポーションの改良は落ち着いたのか?〉
〈うん、もう完成でもいいと思うんだよね。味はいつでも変えられるし、これ以上改良し続けてたらキリがなさそうだし。〉
〈それもそうか。〉
〈午前中はフランクさんのお手伝いして、午後にポーション作ろうかな。〉
〈いいと思うぞ。〉
ディアと喋りながら仕分け作業をしたら2箱終わった。時間もちょうどいいしここで終わり。受付のカウンターに座ってるロレンさんに声をかけたら鍵をかけてくれるそうなので、そのまま帰ります。
「ただいまー」
「「「おかえりー」」」
お家に着くとリビングでくつろぎながら、ちょっと早めにお酒をのんでるガイトさんたちがいた。とりあえず手洗いうがいをして夜ご飯。
「今日は何したんだ?」
「お手伝いの依頼があったからそれを受けたよ。大きめのお家に1人で住んでるおばあちゃん家のお掃除とお片付け。あとはちょっとだけギルドで鑑定して来た。」
「あぁ、テレジアさんのところ?」
「テレジアさんって言うの?そういえば、お名前聞いてなかった、おばあちゃんって呼んでたから。」
「ここより小さい屋敷で旦那が元冒険者だろ?」
「うん、亡くなっちゃったけど元冒険者って言ってた。旦那さんが残した道具のお片付けもちょっとしてきたよ。」
「テレジアさんだね。旦那さんはすごく強い冒険者だったんだよ。確かお子さんも冒険者してるんじゃないかな?」
「そうそう、たまに会うけどいろんな国まわってるんだよね。」
旦那さんとお子さんは有名で、テレジアさんは人気者なんだって。お昼ご飯をごちそうになったこととお弁当はディアに食べてもらったことをフランクさんに伝えたら、残さず食べてくれて嬉しいと言ってくれた。優しい人だね。
「明日の午前中はフランクさんのお手伝いします!」
「おっ、嬉しいねー。じゃあ作り置きの料理も手伝ってもらおうかな。」
「何でもやりります。」
「そりぁ頼もしい。」
みんなで笑いながらご飯を食べたら大人はお酒タイム。ゆっくり飲むみたいだから、私はお風呂にのんびり浸かります。
ディアも誘ったけど断られた。残念。
1時間くらいぼーっと温まりとっても満足。
リビングに戻って果実水を飲み、ちょっとだけディアとくつろぎつつみんなとおしゃべり。
眠くなったらお部屋に戻っておやすみなさい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます