第8話:そして結ばれた僕たち。

それからの僕たちは順風満帆に愛を育んでいた。


あの林檎さんの不倫の話以来、なにもかもが変わった気がする。

林檎さんは心のわだかまりが綺麗さっぱり消え去ったように、毎日

はつらつと会社に通いながら、そして夜には僕に会いに、店に来てくれていた。

僕に会いに来てるのか、酒を飲みに来てるのか分かんないけど・・・。


もちろん休みの日はデートした。

そうやってなにごともなく平和に半年が過ぎ、そして僕はついに18才になった。

待望の18才だ・・・選挙権はあるのに酒、タバコ、ギャンブルはまだダメって

なに?それ。

それってただ選挙に参加させたいだけでしょうが。

あ、そうだ親の承諾なくて結婚できるんだ。

エッチも・・・。


まじなことを言うと、僕はずっと我慢してたんだ。

頭の中はエッチいことで渦巻いているのに、発散できないでいる。

林檎さんに頭の中を覗かれたらきっと呆れられちゃうと思う。

ってか引いちゃうだろうな・・・。


僕は毎日のように林檎さんと結ばれることを妄想した。

人にはとても言えない不道徳なことを妄想した。


早く、林檎さんとひとつになりたかった。

だけど僕は18才の誕生日が来ても、林檎さんが欲しいって言えなかった。


もちろん林檎さんは僕の誕生日を祝ってくれたし、ふたりでハッピーバースデーを

歌ってクラッカー鳴らして、ジャンパン開けて乾杯して寿司を出前して、ふたりで

盛り上がったんだけど・・・僕はその先のシュチュ−ションが欲しかった。


で、ある日、僕は林檎さんの部屋にお邪魔してる時、とうとう我慢できなくなって

林檎さんに言ってしまった。

林檎さんに自分の気持ちを告った時、以上にドキドキしながら・・・。


「ねえ、林檎さん・・・あの・・・僕もう成人したんですけど」


「そうだね・・・新ちゃんもついに大人の仲間入りか」


「大人なんですよね僕、だからもういいんですよね?」


「なにが?・・・なにがいいの?」


「あの・・・あのね・・・あ〜だめだ・・・言えない」


「なに?なに?言いたいことがあるならはっきり言いなさいよ・・・」


「ずっと我慢してたんです・・・」


「なにを?・・・」


「エッチ・・・」


「え?・・・エッチ?・・・ああ・・・新ちゃんもしかして私とエッチしたいの?」


「それって恋人として普通の欲求ですよね?」


「なに?エッチしたいって私に言えないままずっと我慢してたの?」

「あはは・・・私からしようって言わないからシビレを切らしたんだ」


「そうです・・・笑わないでください、真剣なんですから」


「はい、ごめん」

「そう・・・でも私がイヤだって言ったらどうするの?」


「イヤだって言われたら困るし、また我慢の日が続くだけです・・・」


「あはは・・・バカだね・・・もう我慢しなくていいよ」

「新ちゃん・・・来て新一・・・ハグしてあげる」


「チューもおまけにつけてくれたら、おしっこチビるほど嬉しいです」


「はいはい、じゃ〜ハグとチューセットでね」


そしてその夜、僕の希望は林檎さんによって叶えられた。

やった〜、もうこれから我慢しなくていいんだ。

妄想に明けくれなくていいんだ。


「電気消して」


「あの真っ暗で見えないんですけど・・・」


「じゃ〜常夜灯だけつけて、それで見えるでしょ」


「え〜僕が林檎さんの上に乗っかっちゃったら、僕の陰で林檎さんの顔が

見えなくなるんですけど 」


「そんなに見られたら恥ずかしいでしょ」


「僕は林檎さんの全部を見たいし、知りたいんです」

「だから電気つけます」


「ちょっと〜・・・」


とうぜん僕はセックス初体験・・・どうやったらいいかくらいは知ってたったけど

実践はまったく自信がなかった。

そこは僕より経験豊富な?・・・林檎さんがリードしてくれた。


きっと僕はへたっぴだったんだろうなって思う。

しょうがないよ、初めて運転免許取りに行った初心者みたいなもんなんだから。


林檎さんから


「どこに入れようとしてるの?・・・そこ、違うよ」


って指摘されたりした・・・かっこわる〜。


切なさと愛おしさが入り混じった感情・・・歳下の僕はお姉さんに甘えるように

林檎さんを求めた。

林檎さんは精一杯の愛と包容力で僕を包み込んでくれた。

それは僕にとって無上の喜びだった・・・。


つづく。

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