闇バイト記録集

無花果

犬の死骸を探すバイト:500万円

記者:青山ひでを

情報提供者:長野県佐久市在住 shouさん20代(仮名)

仕事内容:犬の死骸を探す

報酬:500万円 即日現金払い



記録


青山「こんにちは、shouさん。青山と申します。よろしくお願いいたします。取材を受けてくださってありがとうございます。」


shou「ああ、いえ。大丈夫です。よろしくお願いします。」


青山「まず取材を始めさせて頂く前にですね、簡単に自己紹介の方させていただきたいと思います。わたくし名前を青山ひでをと申しまして、社会の闇を暴く、というコンセプトで若者のリアルを取材していくという事をやらせていただいております。」


shou「ああ、はい。知ってます。動画見ました。」


青山「ありがとうございます。ほんとに。で、あのこちらにいらっしゃる、今回取材させて頂くこの方がですね、shouさんです。簡単に経歴の方お話ししていただいてもよろしいですか?」


shou「えっと、shouです。高校を中退してから建設で働いてて、で、彼女ができたからもっと稼げる仕事がしたくて、で、まぁ、あんまり人に言えない仕事とか?ネットの掲示板で受けたりもしました。で、今回の仕事もおんなじように受けたって感じです。」


青山「ありがとうございます。早速本題なんですけど、今回のその、お仕事っていうのはどういう内容なのか伺ってもいいですか?」


shou「そうっすね。まぁ、ざっくり言うと、死んでる犬を探すっていう仕事です。」


青山「ちなみに報酬が500万円って事前にお伺いしたんですけど、何か危険な内容だったりされたんですか?」


shou「んー。いや、全然。掲示板で見たとき、山とか人目につかないところで薬とかそういうのを隠してあって、(犬の死骸は)隠語かなって思ったんですよ。でも実際現地行ってみたら、なんか普通の住宅街で、いやマジかって(笑)」


青山「え、住宅街ですか?」


shou「そうなんすよ!マジでただの住宅街だったんすよ。」


青山「はあ。それでほんとに犬の死骸はあったんですか?」


shou「ありましたよ!こんなちっちゃいチワワ。500万も払うって言うから、正直犯罪絡みだろうと思ってたんすけど、ほんとにただのチワワの死骸拾って終わり。それでお金受け取って本当にそれっきり」


青山「はあ、、。ちなみにそのチワワはどんな感じで落ちてた?落ちてたって表現は不謹慎か、どう言う感じであったんですか?」


shou「空き家の庭に、こう捻れた感じで横向きに。」


青山「それを拾ってどこかに送って仕事完了って感じですか?」


shou「いや、まず事前に決められてた通りにチワワの死骸の写真と、その周りの写真。えっと、見つけた庭とか家の写真とか撮って、それを送って、その後チワワは黒いゴミ袋に入れて、あの報酬の受け渡しの時にサイトの仲介業者?みたいな人が来るんすけど、その人に渡した感じっすね。」


青山「なるほど。」

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