　31世紀、アルティメット・トーキョー・シティ。

　多角化する犯罪組織、多様化する犯行手口に対応するため、警察組織もまた無数に細分化された時代。

　未来警視庁において、「行列で前の人の靴の踵を踏んでおいて踏まれた人が振り向いたら逆ギレして威嚇する」罪の捜査を担当する捜査37564課のサイボーグ警部こと荒楠真吹は、パトロールの最中に、「行列で前の人の靴の踵を踏んでおいて踏まれた人が振り向いたら逆ギレして唾を吐く」罪の犯行現場に遭遇する。

　37564課の担当外の犯罪とはいえ、目の前で行われる暴挙に対し、持ち前の正義感で対応した真吹。

　しかし、それが該当の罪の捜査を担当する捜査42731課の江戸課長の怒りを買い、罠にはめられて冤罪で指名手配を受けることに。

　表舞台から追放され、犯罪者として命を狙われることになった真吹は、江戸への復讐を決意した。

　生身の人間と違って常に理性的かつ公正な判断が可能とされるサイボーグ警察官は、職責の範囲で、必要に応じてその場で略式裁判を行い、適切な刑罰を執行する許可証を与えられている。

　そこで彼は、江戸が「行列で前の人の靴の踵を踏んでおいて踏まれた人が振り向いたら逆ギレして威嚇する」状況を作るための、壮大な計画を開始する。

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