世界で俺だけレベルアップできるけど、蘇生費用がレベルに比例して高くなっていく

 神様の不注意で命を落として異世界転生した青年、鈴宮 礼兵衛。

 選べるチート能力プランから【レベルアップ】を選択した彼は、農家の3男ベリングとして誕生する。


 死者蘇生や解呪といった神の恩恵が身近であり、魔物や魔法の存在する世界だが、本来この世界にはステータス画面やレベルアップ等のゲーム的な要素は存在しない。

 しかし、世界で唯一【レベルアップ】というチート能力を持つベリングは、魔物を倒して経験値を稼ぐことでレベルを上げ、身体能力向上や技術習得などの恩恵を得ることができる。

 ベリングは仲間達と共に、冒険者として実力を高めていった。


 ある日、ベリングは冒険中に魔物に襲われて初めての死亡。

 教会での蘇生措置を受けることになったのだが……一般的な死者蘇生措置で求められるお布施が気持ち程度の定額で済むのに対し、ベリングの蘇生には、相場の10倍近い金額が必要になったのだ。

 蘇生後に仲間達から金額を聞いたベリングは、蘇生費用が自身のレベルに比例していることに気付く。


 パーティの実力が上がり、危険な依頼が増えるにつれ、ベリングが魔物に殺される回数も増えてゆく。

 蘇生費用が常人の数十倍に膨れ上がった時、彼は金銭的な問題で、パーティから追放されてしまうことに。


 万一の際に蘇生費用を払えず、死体を打ち捨てられる可能性を考えると、新しいパーティに参加するにも不安がある。

 已む無くソロで比較的安全な依頼ばかり受けるようになったベリングの評判は、徐々に下降していった。


 そんな状況が7年ほど続いた頃。

 燻っていたベリングに、今や貴族家の当主となったかつての仲間から「蘇生費用全額持ち」の条件で、護衛の指名依頼が出されたのだ。

 その依頼を切っ掛けに、彼の人生は再び好転していく。

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