底辺配信者の俺、うっかり配信を切り忘れて地球侵略に来た寄生型宇宙人だと知られてしまう

 収益化を目指す配信者(チャンネル登録者数2桁)の黄瀬 一裕は、ある日、若干思想の強い雑談配信の終了後、うっかり配信アプリを切り忘れてしまう。

 間抜けな配信者のプライベートを嘲うべく、たまたま配信を見ていた数人が視聴を続けていた一裕の配信は、しばらく何の見所もないまま垂れ流される。


 しかし、一裕にはある秘密があった。

 実は彼は、生命の存在する惑星を求めて宇宙を放浪し、その星の知的生命体に寄生して繁殖、学習、進化する侵略種に寄生されていたのだ。


 入浴のために宿主の口から出てきた寄生生物は、風呂上がりに再び宿主の身体に潜り込むと、テーブルに料理や飲み物を広げ始めた。

 その部屋へ、続々と集まってくる寄生された近隣住民達。

 時折口や耳から姿を見せ、罅割れた声で談笑する寄生生物達。


 彼らの口から語られる地球侵略計画は、未だに配信を見ていた物好きにより、狂人の集会として晒され、SNSで拡散される内に、寄生された宿主の親戚の目に留まる。

 徐々に集まる情報と、増してゆく現実味。

 それでも、誰一人としてそれが真実だと確信できる者はいない。

 着々と進行してゆく寄生生物達の計画。


 人類全体の危機と成り得る事態だが、あまりに突拍子のない話ゆえに、公権力の動きは鈍い。

 元警視庁公安部所属のフリーライター、伊部 瑠瑪久は、自身も未だ半信半疑のまま、単身で調査を当たることになる。

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