ツノウサギに育てられたアルビノ幼女は最弱だけど最強です?

 《初心者の森》に住む〈ツノウサギ〉の夫婦は、ある日、奇妙な同族の仔を拾う。

 白毛赤眼という〈ツノウサギ〉の特徴はあるものの、頭頂部以外には毛が生えておらず、仔にしては体が大きく、何より角がない。

 とはいえ周囲に親もいないようだし、巣穴に運んで他の仔らと共に育てることにした。

 夫婦は毛無し角無しの仔を育てるのに試行錯誤し、1年で兄姉が巣立っても、この仔にまだ独り立ちは難しかろうと、更に数年を手元で育てた。


 数年後、夫婦が寿命に斃れ、毛無し角無しの仔も前年生まれの弟妹と共に巣立つことになる。

 弟妹達と跳ね進んだ先で、彼女は〈ツノウサギ〉の天敵、〈ニンゲン〉の小集団に遭遇した。

 戦闘において〈ゴブリン〉や〈スライム〉にも劣る最弱の魔物〈ツノウサギ〉は、危険な〈ニンゲン〉の群れに適うはずもない。

 命と引換えに手傷を負わせるのが精々――かに思われたが。


 毛無し角無しは、同族のような角が欲しかった。

 角を生やそうと努力した。

 運良く、その努力は実った。

 その後も彼女は惜しまず努力を続けた。


 そして彼女は世界で唯一、魔法で額から巨大ドリルが出る〈ツノウサギ〉となっていたのだ。


 どうにか弟妹を逃がした彼女は〈ニンゲン〉に捕まってしまうが、“保護”された貴族の屋敷にて、なんと自分が〈ツノウサギ〉ではなく〈ニンゲン〉の仔なのだと知ることになる。

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