VRMMOのキャラメイクで身長体重を現実と同程度にしろと言われたので、密度を1g/m³にしてみた。相手の攻撃魔法は多段ヒットしちゃうけど、接触系スキルでがんばります!

 ひょんなことから手に入れたVRデバイス本体とソフトで、話題の新作VRMMORPG『Destiny of Mystics Online』を始めた女子高校生、赤井 貴理。

 サポートAIの指示に従ってキャラメイクを進めるに当たり、「身長体重は現実と近い数値にしなければならない」と言われた彼女は、身長体重をそのままに密度を変えることを思い付く。


 諸々試行錯誤した結果、最終的に安定性と強度、動きやすさ、フルスクラッチモードでの作業工数等の兼ね合いから、全身を1g/m³の霧状にすることに。

 身長150cm、体重48kgの彼女は、連休を潰した地道な作業の末、占有面積32,000m²(東京ドーム約0.68個分)の血霧となる。


 〘魔術師〙のキリとしてゲームを始めた彼女は、最初に覚える魔法として、後衛職にとっては不向きとされる【ドレインタッチ】を選択。

 物理無効の霧状生命体として、冒険の旅に出発する。


 一方、前触れもなく《始まりの街》周辺が地上150cmの高さまで赤い霧に覆われたことで、一般プレイヤーは騒然。

 運営からの情報もない中、接触するだけでHPとMPが減少する不気味な地形効果に対し、共同で原因究明に動き出した。

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