異世界で【人族共通語】スキルを【強奪】された俺が、親切な猪獣人(?)の集落でお世話になる話

 クラス転移で異世界召喚された江木 彩人が得たスキルは、【創造魔法】というレアスキルだった。

 魔王と戦うために彼らを召喚した王国では、【勇者】や【剣聖】といった優良スキルの持ち主が優遇される中、彩人のような発展性の高いスキルも高待遇で育成される。


 ところが、その育成組と騎士団による《魔の森》遠征の最中、親友の浦木 留蔵が、まさかの裏切り。

 遠征団から離れた場所に彩人を呼び出し、彩人の創造した縄で彼を縛り上げ、【強奪】スキルで彩人のスキルを奪って置き去りに。

 危険な森でスキルも失い、絶望しかけた彩人だが、実は【創造魔法】スキルは残されていた。

 彼が奪われたのは、召喚時に全員が付与された【人族共通語】スキルだったのだ。


 【創造魔法】で危機を脱したのも束の間、森を彷徨う内に魔力が切れた彩人。

 遭遇したエルフ(?)に話し掛けるも言葉が通じず、矢で追い立てられて傷を負ってしまう。

 動けなくなった彼を助けたのは、二足歩行をする猪(?)だった。


 言葉が通じない猪獣人(?)達は、彼らの集落に招いた彩人に、木の実と寝場所を分け与えた。

 傷の治療を終えた彩人は深く感謝し、【創造魔法】で彼らの生活、文化、戦力を向上させてゆく。

 集落に襲い掛かる野蛮なエルフ達を撃退し、犬獣人(?)やトカゲ獣人(?)達とも合流する内、いつしか彩人は獣人らの長のような立場になってゆく。


 一方彩人達が召喚された王国では、《魔の森》に住む同盟相手のエルフから、オーク、コボルト、リザードマンの混成軍が駐在する巨大要塞が出現したとの報を受け、俄かに争いの気配が広がり始めた。

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