初級魔術しか使えない落ちこぼれ魔術士として追放された俺ですが、本当は初秋間近しか売られない訳アリ品鱒寿司です

 C級冒険者パーティ〈火鬼の刃〉に所属する〘魔術師〙のキット・キートは、ある日突然、パーティからの追放を言い渡される。

 B級以上の高ランクを目指す上で、初級魔術しか使えない彼は邪魔だというのだ。


 パーティ資金で購入した装備の返却も求められたキットだったが、彼は妙にあっさりと返却も追放も受け入れた。

 何故なら彼は、そもそも本職の〘魔術師〙ではなかったので。


 夏の終わり頃に彼の地元の川を遡上する〈カズラマス〉、それを酢飯と重ね押しにした〈鱒寿司〉は地域の郷土料理として有名だ。

 製造工程で形が崩れた規格外品は、晩夏から秋口にかけてのみ、定価の半値で販売される。

 B級品の〈鱒寿司〉を売りに冒険者ギルドを訪れたキットは、B級を目標にしていたパーティに間違って勧誘され、強引に加入させられたのだった。

 地元に戻ったキットは、冒険者経験を活かして魚型魔物を漁獲し、〈カズラマス〉の季節のみならず、一年を通して押し寿司を作れる環境を作り、地元の活性化に貢献する。


 一方キットが去ったパーティでは、新たに加入させた〘火魔術師〙が、本当は〈ひつまぶし〉を届けに来た出前持ちだったことが判明し……?

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