99回転生したけど1〜98回目は全部〈ツノウサギ〉。前世までのスキルを全て使えるけど、どうせ全部【角で突く】(なお今世の俺に角はない)

 神様の不注意で命を落として異世界転生した青年、角出 月兎。

 選べるチート能力プランから【転生回数99回(全スキル引き継ぎ)】を選択した彼だったが、神様の不注意で〈ツノウサギ〉という最弱モンスターに転生してしまう。

 ある時は狼に食われ、ある時は鷹に食われ、ある時は新米冒険者に狩られ……何度生まれ変わっても〈ツノウサギ〉。


 そんなある日、月兎は森の奥で傷付き飢えた鬼人族の子どもを発見し、「どうせ死ぬなら」と自力で焚き火を熾して火中に飛び込み、その身を饗した。

 〈ツノウサギ〉の布施の心に感心した神様はその魂を拾い上げ、彼を人間に転生させる。

 それは奇しくも99回目の転生であった。


 神様の不注意で角のない人間に転生した彼は、使い道のない【角で突く】スキルが98個並んだスキル欄を馬鹿にされていたが、前世で助けた鬼人族の一族と出会うことで人生が一変する。

 98人の角持つ者を従える、角無き鬼の王の英雄譚。

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