デート?①
それから残りの時間で楽しい一時を過ごし、残りの授業を受けて、海結と一緒に家に帰った。
そして、夜ご飯の時間に明日は海結と二人で水族館に行くから、昼ご飯はいらないと伝えた。
「水族館って新しく出来たとこ?」
「そうだよ!翔太くんが一緒行こうって誘ってくれたんだ。」
紗季さんの問に、海結が答えた。すると、紗季さんがニマニマしてこっちを見ている。
「へぇ。じゃあデートなのね。」
「ち、違うよ!お母さん!ね、翔太くん。」
耳まで真っ赤にしながら否定する海結が、助けを求めて来たので同意する。その様子を紗季さんは微笑ましく見守っていた。
「仲直りしてくれて、お母さん嬉しいわ。」
「その節はご迷惑をお掛けしました。」
俺の後に海結も続いた。
「いいのよ、喧嘩しても。また一緒に遊んだり、ご飯食べたりしてくれるならね。」
紗季さんがそう思ってくれるのは嬉しいけど、もうあんな事はないようにしたい。
すると、突然玄関のドアが開く音がした。
「ただいま。」
仕事終わりの親父がリビングに入ってきたので、おかえりと声を揃えて言った。
「もう食べ終えちゃったの?」
「一足遅かったね。」
え〜。と不満そうな親父を他所に紗季さんから、一万円を預かった。
「なんでお金?」
海結首を傾げている。
「お昼ご飯代よ。」
「バイトしてるしいいよ。」
「そうだよ。私もお小遣い貰ってるし。」
「良いから持っていきなさい。」
紗季さん頑なだった。そこに、親父から昼ご飯代ぐらい貰っておきなさい。と言われてしまえば、もう何を言っても無意味だ。
「どうしてもいらないって言うなら、お父さんとお母さんにお土産でも買ってきてくれたらいいよ。」
「そういうことなら...」
親父の意見に渋々引き下がる。
「後は、明日の思い出を私たちに聞かせること、いいわね。」
「う、うん。」
確かな圧を感じ取ったのか海結が、曖昧に返事をする。親父も紗季さんの隣でうんうんと頷いている。
「じゃあ、俺は自分の部屋に戻るから。」
「あ、私もそろそろ戻るね。」
おやすみと挨拶をして部屋に戻る。少しだけ、勉強をしてから布団に入った。
翌日の朝、目覚ましがなるよりも前に海結に起こされた。
「そんなに楽しみなの?」
「うん!楽しみだよ!ずっと行きたかったんだもん。翔太くんは楽しみじゃないの?」
「楽しみだけど...」
普通に楽しみに決まってる。どれくらい楽しみかと言うと昨日の夜は、楽しみでなかなか眠れなかった程度には楽しみだ。海結に言うわけないけど。
それから普通に朝ご飯を食べて、家を出る準備をしてたら、海結がちょっとオシャレをしてたので似合ってると伝えたら、照れるということがあった。
「準備OK?忘れ物ない?」
「大丈夫だよ!」
海結が元気いっぱいに答える。
「いっぱい楽しんでおいで、行ってらっしゃい!」
紗季さんと親父が手を振って見送ってくれたので、俺たちも手を振って家を出て言った。
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