第22話
時間が経つにつれて、亮平のおへその開きはだんだんと大きくなっていった。陣痛が来るたびに、彼のおへそは広がり、やがてそれは赤ちゃんの頭が通るのに十分な大きさまで拡大した。
美咲は軽く息を吹きかけると、その動きに合わせて赤ちゃんの頭がゆっくりと見え始めた。その小さな、まだ真っ白い髪が見えた瞬間、亮平と早苗の緊張は最高潮に達した。
「頑張って、亮平。もうすぐ、我々の子供が出てくるよ。」早苗の励ましと共に、亮平は陣痛と戦い続けた。
「それ、いい感じ、亮平。息を吸って、力を入れて、息を吹き出すんだ。」美咲の指示に従って、亮平は深呼吸を始めた。そして、彼の力強い呼吸と共に、赤ちゃんの頭は更に見えてきた。
「はい、そうだ、もう少しで…」美咲の声は亮平の励みとなり、彼は全力で押し続けた。そして、突如として新たな生命が彼の身体から押し出された瞬間、その小さな泣き声が部屋に響いた。
亮平のおへその中から生まれた赤ちゃんは、すぐに美咲によって亮平の胸に抱き寄せられた。その小さな体温が亮平の心を満たし、彼の顔には疲労感よりも喜びの表情が浮かんだ。
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